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2012年7月19日 (木)

【疑問】今更ながら消尽論、発明の単一性、ってアンタ

手を抜かずブログ更新、みたいなコト言っときながら気がついたらサボってるってのは、良くない。ホント良くない。反省してます。
ってゆーか、ブログって書かずにいると書き方忘れてしまうんですな。何事も継続が大事だなあと一般的な結論に逃げたところで本題です。

基本的なところで今更ながらちょーっと首を傾げておりまして、どなたかお助け戴ければありがたいです。

特許権Aがあります。請求項1が「・・・を特徴とする糸」、請求項2が「請求項1の糸を使った織物」、請求項3が「請求項2の織物を使った衣服」、とします。この場合、発明特定事項は、請求項1,2,3で共通しますから、発明の単一性の要件は満たします(よね?)。特許権Aは共有に係る特許権で、特許権者は甲aと甲bと甲cの3人です。(7/20 4:22 共有に係る条件部分等を追記、修正)

ここで特許権者甲aは請求項1の糸を生産し、乙に販売しました。乙は甲aから購入した糸を使って織物を生産し、丙に織物を販売しました。丙は乙から購入した織物を使って衣服を生産しました。

この場合、甲bは乙に対して特許権を行使しすることが出来るでしょうか。
また、甲cは丙に対して特許権を行使することが出来るでしょうか。

私は、甲の特許権は「糸」を乙に販売したときに消尽するので、乙に対しても丙に対しても行使できないと、思っていました(消尽論)。ところが、**さんは、乙に対しても丙に対しても行使できる、というのです。

その論拠はこうです。
確かに請求項1については消尽しているが、請求項2については消尽していない。請求項1,請求項2、請求項3は、夫々独立した特許権であるので、請求項2について行使できる。請求項3についても同様。

**さんは私よりも特許法に詳しいと信じるに足る理由があるので、「ええ!?」と思いつつ、ウチに帰って考えてみたのですが・・・。やっぱりどうしてもしっくりと来ない。この解釈では、特許権者が二重取り三重取り出来てしまうように思えてならない。これがOKとなると、所謂「部品」とか怖くておちおち買えなくなるじゃねーか!って思うんですけど・・・。

わたし、間違ってますか・・・?

まずは条文から考えてみました。ポイントは185条だと思うんですよ。
185条(二以上の請求項に係る特許又は特許権についての特則)で挙げられている条文のうち、この件に関係の有りそうな、というと、27条1項1号くらいかな、と思います(よね?)。

そうすると、問題は「27条1項1号」の解釈及び、185条の「・・・規定の適用については、請求項ごとに特許がされ、又は特許権があるものとみなす。」の解釈、ということになると思います。

つまり、「特許権の設定等については、請求項ごとに特許がされ、又は特許権があるものとみなす。」という条文の持つ意味の解釈の問題に帰着します。即ち、ここから、特許権は請求項ごとに3つあり、糸についての特許権、織物についての特許権、衣服についての特許権、と3回、行使できるのである、というのが**さんの解釈なのではないかと。文言上はこれは間違ってはいない?

しかし、私としては、法令集を繰り、上記結論に至り、しかしそれでも納得がいかない。

それは、二重取りになるっしょ?という感覚的なものなのですが、後付けで条文から理屈を考えると、もしも特許権の「効力」が請求項ごとに行使できるというのであれば、185条に68条が挙げられないとおかしいのでは?それをわざわざ27条1項1号を挙げてあるのは、「効力」についてでなく、「形式」について述べているということではないのか?ということになるのですが・・・。

いやー、今更こんな基本的なことで悩むなんて、情けないやら、悲しいやら、恥ずかしいやら。ですが、本人至ってまじめに悩んでおります。どなたか、結論の妥当性とそれが導かれる根拠につき、ご教授願えれば幸甚です。コメント、お待ちしておりますぅ。
(さすがにこれは15分では書けなかった。ああもう。時間が・・・って、これはお勉強の一環だからいいのか。)

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720 弁理士試験」カテゴリの記事

コメント

まず前提からして意味不明

投稿: | 2012年7月20日 (金) 00時56分

レスありがとうございます。コメントを拝見し、記事を見直し、条件漏れ等を修正しました。具体的にご教授願えれば幸甚です。よろしくお願いいたします。

投稿: toppo | 2012年7月20日 (金) 04時45分

①既に特許になっているのになんで単一性に拘るの?
②それじゃ請求項2と3は何のためにあるの?

投稿: | 2012年7月21日 (土) 01時20分

レスありがとうございます。
①について
請求項1,請求項2、請求項3、が発明の単一性を満たしていないと、議論の前提が崩れると思ったので、これらは発明の単一性は満たしている、と書きました。

つまり、上記の本文中から発明の単一性という言葉が出てくる唯一の文章「この場合、発明特定事項は、請求項1,2,3で共通しますから、発明の単一性の要件は満たします(よね?)。」という文を削除しても、題意は変わりませんが、「そもそもこの質問(糸・織物・生地)は単一性の要件を満たしていないのでこういう登録はありえない(あったとしたら過誤登録)」という回答が来る可能性を排除しておこうと思ったのです。勿論、実務上は37条違反は拒絶理由ではあっても無効理由ではありませんから、過誤登録を気にする必要はないのはわかっているのですが、受験勉強上は、過誤登録の特許権を議論の土台にすることには意味がないと思ったので。

②について
願書に請求項を複数記載できる(その結果複数の請求項からなる特許権が成立する)のは、発明の多面的保護のため、だと思っていました。つまりこの例の場合だと、基本となる発明はあくまでも請求項1の「・・・を特徴とする糸」であり、請求項2は、それを別の面から保護するのである、というイメージです。(だから、ある面から権利行使したら消尽し、別の面からは権利行使できない、と)

本問の場合、請求項2と3が何のためにあるのか、というと、(糸という形態でなく)織物という形態(或いは衣服という形態)で流通している場合でも、直接、権利行使の対象と出来るようにするため、ということになります。

さあ書いててちょっと背筋がスースーしてきました。②のようなツッコミが入るということは、結論においては**さんが正しくて、私が間違っている、ということでしょうか・・・?

投稿: toppo | 2012年7月21日 (土) 05時08分

>やっぱりどうしてもしっくりと来ない。この解釈では、特許権者が二重取り三重取り出来てしまうように思えてならない。これがOKとなると、所謂「部品」とか怖くておちおち買えなくなるじゃねーか!って思うんですけど・・・。


なんで特許権者が二重取り三重取りしちゃいけないの?
お金儲けのためにやってんだからいいじゃない?

そもそも乙は請求項2の織物がほしかったら甲からその織物を買えばいいんだし、丙も請求項3の衣服がほしければ甲からその衣服を買えばいいだけのこと。

それより、請求項1の糸さえ正当に入手すれば、これで何を作って販売しても特許権を侵害しないんだと考える方がずっとおかしいかと。

もしかして(上の条件からは明らかでないけど)請求項1の糸は、請求項2の織物以外に使用できず(専用品)、請求項2の織物は請求項3の衣服にしか使用できない(専用品)という前提で考えているのでしょうか?

それだったら、甲は最初から請求項1の糸と請求項2の織物は販売せず、請求項3の衣服だけを販売すればいいだけの話でしょう?


投稿: | 2012年7月21日 (土) 21時45分

レスありがとうございます。
1.二重取りについて
特許権者はお金儲けのためにやっているのであるから二重取り出来てもいい、というご意見ですが・・・。論理的には成り立たないのではないかと。

特許権者はお金儲けのためにやっているのであるから、二重取り(でもなんでも儲かるのなら)したい、というのは論理的に成り立っているとおもうのです。しかし特許法は産業の発達のための手段として発明の保護と利用を図る(1条)法律ですので、法目的に反するならば、発明の保護(=特許権の効力)に関して制限が掛かります。つまり法が二重取りを許さない、と思うのです。

消尽論について触れた最高裁判決(BBS判決)が国内消尽の根拠を
①商品の自由な流通の阻害の防止ないし取引安全の保護
②特許権者の二重の利得の防止
に求めていることからもそれは明らかであると思っていました。

2.専用品について
請求項1の糸は請求項2の生地の専用品とは考えていませんし、請求項2の生地は請求項3の衣服の専用品とは考えていません。

一般に専用品とは「特許製品の重要部品を実施するためだけに用いられるもの」と定義されると思います。そうすると請求項1の糸は「請求項2の生地を生産するためだけに用いられるもの」とは言えないので、専用品とは呼べないと考えました。

逆に、請求項2の生地を実施するためには、請求項1の糸が必須である、とは言えますが、これは一般には専用品とは呼ばないと思います(よね?)。

せっかくコメントを戴きながら、未だ消化しきれておりません。申し訳ありません。

私が(受験生として)わかっていないのは、改善多項制における特許権の効力(及びその根拠)、とでもいうべきことなのだと思います。即ち請求項1,2,3からなる特許権(特許12345号とします)が存在するとして、適法に販売された「請求項1に係る物」で購入者が「請求項2に係る物」を生産した場合、それが特許権侵害になるのか、ということです。

それを別の面からいうと、特許権の行使の際に、「特許12345号により」権利行使する、のか、「特許12345号請求項2により」権利行使する、のか、実際はどっちなのだろうか、ということかと思うのですが。

戴いているコメントからは、権利侵害になるのである、権利行使は請求項ごとにするのである、と読めるように思います。これが実務上行なわれていることだとすると、私の解釈は間違っており、**さんの解釈が正しい、ということになりますね。がーん。

出来れば、根拠条文を教えていただけると有難いです。よろしくお願いいたします。

投稿: toppo | 2012年7月22日 (日) 02時23分

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