« 2012年6月 | トップページ | 2012年8月 »

2012年7月28日 (土)

答えは、自分で、なんとか、しろ、と!

ってわけで、改善多項制、もっと多方面からコメントがつくかと思いきや、全然そんなことはなくて、なんだか拍子抜け。まあねえ。一受験生のマイナーな疑問に過ぎないからなあ。そうそう盛り上がりようもないか。しかしそれはそれ、ワタシ自身はワタシ自身として結論をださなきゃなんない。ってわけで、こんな感じか。

【問1】
請求項1「**を特徴とする糸」、請求項2「請求項1の糸を使った織物」、の2つの請求項からなる特許権Aがある。特許権Aは甲と乙の共有に係る特許権である。甲は請求項1の糸を生産し、丙に販売した。丙は甲から購入した糸を用いて、請求項2に係る織物を業として生産した。この場合、乙は丙に対して請求項2に基づき権利を行使することが出来るか。但し請求項2に於ける発明特定事項は、請求項1のみであり、織物自体に別の発明特定事項が存在するのではないとする。

【答え】
乙は丙に対して請求項2に基づく権利を行使することは出来ない。理由は以下の通りである。

1.権利の消尽について
特許権者は権限なき第三者の業としての実施に対して特許権を行使することが出来る(68条)。ここで実施とは、2条3項各号に定める行為をいう。本問において乙は特許権者であり(33条)、乙はその持分に応じて権利行使できる(33条)とも考えられる(実施行為独立の原則)。

しかし、適法に販売された特許に係る商品についてはその権利は消尽するので、乙は権利行使することは出来ない(消尽論)と解する。商品の自由な流通の阻害の防止若しくは取引の安全確保のため、及び、特許権者の二重利得の防止のためである(最高裁BBS判決)。

2.改善多項制について
ここで、請求項1と請求項2は夫々独立した特許権であり、請求項1が消尽しても請求項2は消尽しない、とも考えられる(185条で準用する27条1号1項等)。しかしながら消尽論の効果は特許権ごとに生じ、請求項ごとに生じるものではないと解する。理由は以下の通りである。

1)185条における51条、66条、68条の不準用
特許法は、特許請求の範囲の記載について、請求項ごとの記載を認め(36条5項本文)、2以上の請求項に係る特許又は特許権について、規定の条文については請求項ごとに特許がされ、又は特許権があるものとみなす(185条)。ここで拒絶理由を有しない出願は特許査定され(51条)、特許権(68条)が設定の登録により発生する(66条)が、これらの条文は185条に準用されていないので、特許査定も特許権の設定登録も特許権も、請求項ごとにあるものとはみなされない。即ち本問においては請求項1に係る糸が丙に販売された際に、請求項2を含む当該特許権全体は消尽している。尚、185条に於いて、27条1項1号が準用されているが、これは特許原簿への登録に於ける形式についての規定であり、権利そのものが請求項ごとにあるとみなす規定ではない。

2)36条5項但書
法は、特許請求の範囲の記載について、一の請求項にかかる発明と他の請求項に係る発明とが同一である記述となることを妨げない、と規定する(36条5項但書)。発明の多面的保護のためである。同一である記述の請求項に基づき、二重に権利行使することは法目的に反するので(1条)、36条5項の規定は権利が請求項ごとに存在するのではないことを前提にしているものと考えられる。

以上

うーんうーん。もっと綺麗にまとめられる気がするのはいつものこと。出来の悪い答案を満天下に晒すような居心地の悪さを感じるが(って比喩にもなんにもなってないやんけ!)、まあ、自分で蒔いた種だ、しょうがない。えーっと、生産的なツッコミ、添削等ありましたらコメントよろしくお願いします。別解模範解答ならなおいいです。

論文の書き方、いや文章一般についての、書き方、もっと勉強(とゆーか修行とゆーか)しないと駄目だよなー。

終わってみれば客観的に見て論点ですらないなこれ。さて次ぃ!

にほんブログ村 士業ブログ 弁理士へ
にほんブログ村

| | コメント (34) | トラックバック (0)

2012年7月22日 (日)

【疑問】改善多項制って

先日の疑問が未だ解けず、モヤモヤしております。
コメント欄にリンクを貼って置きます)
あれから色々と考えたのですが、これは消尽論の問題というよりは、改善多項制の問題なのではないかと。

つまり私が(受験生として)わかっていないのは、改善多項制における特許権の効力(及びその根拠)、とでもいうべきことなのだと思います。即ち請求項 1,2,3からなる特許権(特許12345号とします)が存在するとして、適法に販売された「請求項1に係る物」で購入者が「請求項2に係る物」を生産し た場合、それが特許権侵害になるのか、ということです。

それを別の面からいうと、特許権の行使の際に、「特許12345号により」権利行使する、のか、「特許12345号請求項2により」権利行使する、のか、実際はどっちなのだろうか、ということかと思うのですが。

んで、これは、たぶん実務をやってらっしゃる方にとっては自明のことなんですよね?そうかぁ。そうするとやっぱ**さんの解釈(権利侵害になる)が正しいのか・・・?ショック。

でもなー。だったらわざわざ「一の請求項に係る発明と他の請求項に係る発明とが同一である記載となることを妨げない」(36条5項)って書くか?夫々が別個の権利になりうるのに?ワタシ、5項の但し書きは「どーせひとつの権利なのだから」と読んでましたよ。

ああもう。まさかここで悩むなんてねえ。日暮れて道遠しですなあ・・・(涙)。

にほんブログ村 士業ブログ 弁理士へ
にほんブログ村

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年7月19日 (木)

【疑問】今更ながら消尽論、発明の単一性、ってアンタ

手を抜かずブログ更新、みたいなコト言っときながら気がついたらサボってるってのは、良くない。ホント良くない。反省してます。
ってゆーか、ブログって書かずにいると書き方忘れてしまうんですな。何事も継続が大事だなあと一般的な結論に逃げたところで本題です。

基本的なところで今更ながらちょーっと首を傾げておりまして、どなたかお助け戴ければありがたいです。

特許権Aがあります。請求項1が「・・・を特徴とする糸」、請求項2が「請求項1の糸を使った織物」、請求項3が「請求項2の織物を使った衣服」、とします。この場合、発明特定事項は、請求項1,2,3で共通しますから、発明の単一性の要件は満たします(よね?)。特許権Aは共有に係る特許権で、特許権者は甲aと甲bと甲cの3人です。(7/20 4:22 共有に係る条件部分等を追記、修正)

ここで特許権者甲aは請求項1の糸を生産し、乙に販売しました。乙は甲aから購入した糸を使って織物を生産し、丙に織物を販売しました。丙は乙から購入した織物を使って衣服を生産しました。

この場合、甲bは乙に対して特許権を行使しすることが出来るでしょうか。
また、甲cは丙に対して特許権を行使することが出来るでしょうか。

私は、甲の特許権は「糸」を乙に販売したときに消尽するので、乙に対しても丙に対しても行使できないと、思っていました(消尽論)。ところが、**さんは、乙に対しても丙に対しても行使できる、というのです。

その論拠はこうです。
確かに請求項1については消尽しているが、請求項2については消尽していない。請求項1,請求項2、請求項3は、夫々独立した特許権であるので、請求項2について行使できる。請求項3についても同様。

**さんは私よりも特許法に詳しいと信じるに足る理由があるので、「ええ!?」と思いつつ、ウチに帰って考えてみたのですが・・・。やっぱりどうしてもしっくりと来ない。この解釈では、特許権者が二重取り三重取り出来てしまうように思えてならない。これがOKとなると、所謂「部品」とか怖くておちおち買えなくなるじゃねーか!って思うんですけど・・・。

わたし、間違ってますか・・・?

まずは条文から考えてみました。ポイントは185条だと思うんですよ。
185条(二以上の請求項に係る特許又は特許権についての特則)で挙げられている条文のうち、この件に関係の有りそうな、というと、27条1項1号くらいかな、と思います(よね?)。

そうすると、問題は「27条1項1号」の解釈及び、185条の「・・・規定の適用については、請求項ごとに特許がされ、又は特許権があるものとみなす。」の解釈、ということになると思います。

つまり、「特許権の設定等については、請求項ごとに特許がされ、又は特許権があるものとみなす。」という条文の持つ意味の解釈の問題に帰着します。即ち、ここから、特許権は請求項ごとに3つあり、糸についての特許権、織物についての特許権、衣服についての特許権、と3回、行使できるのである、というのが**さんの解釈なのではないかと。文言上はこれは間違ってはいない?

しかし、私としては、法令集を繰り、上記結論に至り、しかしそれでも納得がいかない。

それは、二重取りになるっしょ?という感覚的なものなのですが、後付けで条文から理屈を考えると、もしも特許権の「効力」が請求項ごとに行使できるというのであれば、185条に68条が挙げられないとおかしいのでは?それをわざわざ27条1項1号を挙げてあるのは、「効力」についてでなく、「形式」について述べているということではないのか?ということになるのですが・・・。

いやー、今更こんな基本的なことで悩むなんて、情けないやら、悲しいやら、恥ずかしいやら。ですが、本人至ってまじめに悩んでおります。どなたか、結論の妥当性とそれが導かれる根拠につき、ご教授願えれば幸甚です。コメント、お待ちしておりますぅ。
(さすがにこれは15分では書けなかった。ああもう。時間が・・・って、これはお勉強の一環だからいいのか。)

| | コメント (6) | トラックバック (0)

2012年7月 8日 (日)

気がついたら読んでいた本

書評を書くとなるとそれなりにチカラが入ってしまって、どうしても時間が掛かる。それは受験生にとっては死の罠、なので、試験直前期、読んだけど書評に至ってない本、というのが、何冊かある。(ってゆーか、読むなよ直前期にな)結局書評者としてのアイデンティティをとるか、受験生としてのアイデンティティをとるか、迷った末、受験生としてのアイデンティティを取ってしまった、ってことなんですねえ。

しかしやはり読み手としての責任ってものがありますから、一応ここにリストアップして置くことにする。・・・そーか、ネタが無いときに思い出して書けばいいのか。よしよし。(って、覚えていればな。今回リストアップしてて思ったが、読んだら書いておかないと、感想ってすぐ忘れるのな。あんだけ感動したのに!→極北。やっぱ読んだら書く、これ基本な。)

関西赤貧古本道      山本善行
極北           マーセル・セロー
宇宙の果てのレストラン  ダグラス・アダムス
デカルトの誤り      アントニオ・R・ダマシオ
経済予測脳で人生が変わる 中原圭介
私の資産告白       本多静六

試験直前期でも1冊/月は読んでた訳か。ってゆーかもっと読んだ気がするが、すでに思い出すことすら出来てない気が。←記憶力やばいな。そら短答落ちるわな。

え、もう時間オーバー?ではでは。

にほんブログ村 士業ブログへ
にほんブログ村

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2012年6月 | トップページ | 2012年8月 »