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2011年9月 4日 (日)

【書評】エンジン/ENGINE 著者:矢作俊彦

エンジン/ENGINE読了◎。明け方の銀座四丁目。張り込み中の游二の目の前で、ランチアから降り立った金髪の美女は、ティファニーに銃弾を撃ち込み、悠然とイヤリングをつまみとる・・・。

っていう派手なオープニングからして、一種独特の「現実離れ感」が漂うわけです。んでもって、主人公の游二のキャラも行動パターンも、「これのどこが刑事やねん!一匹狼の探偵(オプ)のまんまじゃねーか?!」っていうツッコミ入りまくり。連続外車窃盗団を張り込み中の築地署の刑事游二、そういう意味でのリアリティは全くない。にもかかわらず、というべきか、この感じ、主人公が何かに突き動かされるように事件にのめり込んでいく感じが、凄くいい。凄く「リアル」だ。取り憑かれたように破滅的に突っ走る感じが。

話自体は全くリアルではないけれど、登場人物たちも全然リアルではないけれど、甘くなく、作りものでなく、ちゃんと話として成立しているんですわ。それはなんでか、って考えるとね、そこにある「情念」はとてもリアルだ、っていう、そういうことではないかと。

一種虚無的な情念を抱えて、枠からはみ出してしまう、はみ出してしまいたい、感じ。これがなんだかガツンと来たっていうか。これはワシの個人的な好みの問題?いや今の日本のある側面、通奏低音なんではないかしらん?っていうのは考え過ぎか。まあそれはどうでもいいや、面白く且つ完成度高いです。一読をお薦めします。

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