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2011年3月 5日 (土)

【書評】西巷説百物語 著者:京極夏彦

西巷説百物語(にしのこうせつひゃくものがたり)読了○。妖怪の類の噂は上方でもよく聞く。桂男に魂取られただとか、豆狸が酒を買いに来ただとか・・・。妖怪・あやかし・不思議、の姿を借りて、依頼人の晴らせぬ恨み、どうにもならない依頼の筋、を通してやる仕掛け仕事。請負うは帳屋の林蔵。林蔵は只の帳屋ではない。二つ名が”靄舟の林蔵”、相手を舌先三寸の嘘舟に乗せ、知らぬ間に彼岸へと運ぶ・・・・。

桂男(かつらおとこ)、遺言幽霊水乞幽霊(ゆいごんゆうれいみずこいゆうれい)、鍛冶が嬶(かじがかか)、夜楽屋(よるのがくや)、溝出(みぞいだし)、豆狸(まめだぬき)、野狐(のぎつね)、中篇7篇を収める。

題名どおり、巷説百物語の、上方版。役どころとして”御行の又市”にあたるのが”靄舟の林蔵”。キメのセリフは「これで終いの金毘羅さんや」。又市とは悪友、腐れ縁。

ってわけで、はい、面白く読ませて戴きました。京極夏彦、相変わらず達者でんなあ。

この物語には、山岡百介にあたる人物が「いない」からね。ワトソン役が語るのでない物語、ってわけで。多くの場合実は”仕掛けられる側”から語られる、このお話の感じは、独特です。思うに、本人ですら知らない、覚えていない、意識していない、そのことが、自身の意識によって暴かれていくというその感じが、人の心の中に、”魔”が”棲む”って感じにぴったり合ってるんだよなー。わざと?わざと?うまいなー。

見た目厚いんですけど、会話が多いし字も大きめで、あっという間に読めてしまいます。京極ファンは必読でしょう。ってオレなんかに言われなくてもきっとみんなもう読んでるか。

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