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2011年3月27日 (日)

【アプリレビュー】電子法令検索for iPhoneで「原子力損害の賠償に関する法律」を引いてみた

iPadで重宝している電子法令検索(レビューはこちら)の、iPhone版が出てた。画面の大きさの制約があるんで、iPad版の方が使い勝手がいいのは間違いないんだけど、肌身離さず持ち歩くってコトではiPhone版のほうが役に立つ。かなり巨大なアプリですが、なんせ現在施行中(平成23年3月1日現在)の法令を全て検索出来ちゃう。オフラインで。法律一式、全部持ち歩けるわけです。いつもポケットに法律を。ダウンロードはこちら

ってわけで、さて、早速、引いてみました、「原子力損害の賠償に関する法律」。いや工業所有権四法は四法対照のiPhone版持ってるし、今更だと思ってね。制定は昭和36年6月。オレと同世代(ひとつちがい)だね、この法律。改めてオレら原子力世代なんだなあ、と思ったよ。

原子力損害の賠償に関する法律、全部で26条からなる、コンパクトな法律です。特許法とかと比べるとあっけないくらい簡素なつくりですなあ。

ざっと目を通す。当面、話題になりそうなのは、第三条と十六条、十七条あたりかな。

第三条 原子炉の運転等の際、当該原子炉の運転等により原子力損害を与えたときは、当該原子炉の運転等に係る原子力事業者がその損害を賠償する責めに任ずる。ただし、その損害が異常に巨大な天災地変又は社会的動乱によつて生じたものであるときは、この限りでない。

第十六条 政府は、原子力損害が生じた場合において、原子力事業者(外国原子力船に係る原子力事業者を除く。)が第三条の規定により損害を賠償する責めに任ずべき額が賠償措置額をこえ、かつ、この法律の目的を達成するため必要があると認めるときは、原子力事業者に対し、原子力事業者が損害を賠償するために必要な援助を行なうものとする。 2 前項の援助は、国会の議決により政府に属させられた権限の範囲内において行なうものとする。

第十七条 政府は、第三条第一項ただし書の場合又は第七条の二第二項の原子力損害で同項に規定する額をこえると認められるものが生じた場合においては、被災者の救助及び被害の拡大の防止のため必要な措置を講ずるようにするものとする。

うーん。第三条の但し書きを適用するかどうかが分かれ目か。但し書き適用→十七条。適用ナシ→十六条ってことですかね。どうなんだろう、今回の事故。文理上は但し書きに相当するんだろうけど。感情が納得しないよねえ。衝くとしたらどこでしょうね。「異常に巨大な天災地変」か?「当該原子炉の運転等により」か?或いは超法規的措置か。

あ、そうか。逆転の発想で、十七条の「被災者の救助及び被害の拡大の防止のため必要な措置を講ずるようにするものとする」を使うというのはどうでしょうか。「必要な措置」ってトコがミソ。

因みにオレ、東電の株は200株ほど所有していたんですが、事故後叩き売り。略買値の半額で売却、大損ですわ。教訓。やっぱいい加減な気持ちで買っちゃ駄目だよね、株はね。

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2011年3月20日 (日)

【日記・つぶやき】311を経て思ったことなど

3月11日の地震以降、ブログへのアクセスは急減。そりゃそうだ。こんなノンポリでお気楽なブログ読んでる場合じゃない。・・・・ってことで一週間が過ぎ、やっと少しだけ平常時モードに戻りつつあります。

別に被災してネットに繋げなかったとか、地震の後始末が大変で記事を書く時間がなかったとか、そういうわけでは全然ない。とてもブログを書くことが出来る精神状態ではなかった、というのが正確なとこ。まあ一種のパニックになっていたんだな、と振り返ってみて思います。自分の器の小ささというか、弱さというか、そういうものを見せ付けられた一週間でした。ともするとネガティブに傾きそうになる心を励まし、偏狭になりがちな視野を押し広げ、過剰に反応する身体を宥めて折り合いをつける。そんな、自分の面倒を見るってことに殆どのエネルギーを取られる感じ。情けない話ですが。

もちろん、月曜からちゃんと会社には行ったし、仕事もしたんですよ。ウチの中の惨状(本の土砂崩れ)の片付けもやったし、耐震金具の再セットもやった。表面的にはごく普通に暮らしていた。でも自分の中では実はパニックの嵐が吹き荒れていたんですわ。

なにがそんなに?

時間が経って少し落ち着いて、少しはモノが考えられるようになったので、自分の頭を整理する、という意味で、ここに記録を残しておこうと思います。

症状の1:地震は怖くない、原発が怖い
自分の感じていた(いや今も感じている)恐怖の正体は、地震ではなくて原発なんだと自覚。いつ起こるかわからない地震は交通事故みたいなもので遭えば大変だとは思うが怖くはない。でも今進行中の原発事故は、怖かった。

症状の2:被災地の状況を読むと、いてもたっても
オレ、読んだものに感情移入してしまうので、いてもたってもいられなくなる感じがあるんですわ。そしてそれを繰り返していると、軽くウツになる。感情を鈍磨させてしまう感じというか。それがつらい。

んで、夫々の症状にどうやって対処したのか。振り返ってみたいと思います。

<怖いのはわかった、んで?>
なんで怖いのか。放射能は目には見えない、だから今自分が「やられ」てるのかどうか、それすらわかんない。そんなら、目に見えるようにしましょうよ、ってんで、取り敢えず放射線の状況を定点観測。自分でガイガーカウンタ買わなくても、ナントカなるもんだ。
ナチュラル研究所「ガイガーカウンタ」(個人で趣味で放射線測定をされている方のページ。東京日野市。東京なら距離はまあ誤差の範囲かと。見易いのでお勧め。)
放射線測定ネットワーク(測定結果を公表している各種機関のページをグーグルマップ上にまとめたもの。)
全国の放射線モニタリング状況(文部科学省のページ。)

あとは知識で武装する。これはオタクの基本だ。何がどの程度危険なのか。自分が何を知っていて何を知らないのか。誰が信用できる情報源で、誰がただのアジテーターなのか。情報の取捨選択。今回改めてtwitterというのはすごいものだと思いました。その情報源の過去の発言を遡れるので、信頼できるかどうか、自分で検証が出来るという点は大きい。速報性と信頼性のバランスが取れていると。
Ken ITO 伊東 乾 (itokenstein) on Twitter東京大学准教授:作曲=指揮・情報詩学研究室。冷静。結局人間、胆力なんだ、と納得。)
ryugo hayano (hayano) on Twitter(早稲田の物理学者。誠実。科学者の鑑だと。)
福島原発の放射能を理解する(現状分析。客観的、煽りナシ。)

<いてもたってもはわかった、んで?>
次は症状の2にどうやって対処するか。自分の無力感と戦うってことだ。どんだけ心配しても、どんだけ考えても状況は変わらない。変えるためには具体的に何か行動を起こさなければ。ってわけで、取り敢えず募金することにする。募金詐欺も横行しているというし、悩ましいんだけど、これもTwitterで知ったこの文章を信じて、NPOユニバーサルデザイン研究機構に*万円を募金。これで騙されたらそれはそれで仕方がない、と腹を括る。
被災地からの報告 阪神震災とは違う実情

これで、いくらか和らいだか、ウツ。気持ちの問題っちゃー気持ちの問題だ。今後も募金は継続していこうと思う。

とまあ、こんな感じで、取り敢えずこの一週間を総括。

今回、いろんなことが見えたな。自分自身についてもそうだし、社会についてもそうだ。原発事故後の世界を生きるということが、どういうことなのか。何が変わって何が変わらないのか。何を変えていくのか。政治のこと、マスコミのこと、社会のあり方。・・・今回の事件は、黒船なんだよね。この事件が日本の閉塞感を打破するきっかけになって、社会が良い方向へ替わり始めることを願うよ。マジで。そのために自分に何が出来るのか、真剣に考えることにする。(いやまず試験に通らないと、というツッコミはありですが(笑))

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2011年3月 5日 (土)

【書評】西巷説百物語 著者:京極夏彦

西巷説百物語(にしのこうせつひゃくものがたり)読了○。妖怪の類の噂は上方でもよく聞く。桂男に魂取られただとか、豆狸が酒を買いに来ただとか・・・。妖怪・あやかし・不思議、の姿を借りて、依頼人の晴らせぬ恨み、どうにもならない依頼の筋、を通してやる仕掛け仕事。請負うは帳屋の林蔵。林蔵は只の帳屋ではない。二つ名が”靄舟の林蔵”、相手を舌先三寸の嘘舟に乗せ、知らぬ間に彼岸へと運ぶ・・・・。

桂男(かつらおとこ)、遺言幽霊水乞幽霊(ゆいごんゆうれいみずこいゆうれい)、鍛冶が嬶(かじがかか)、夜楽屋(よるのがくや)、溝出(みぞいだし)、豆狸(まめだぬき)、野狐(のぎつね)、中篇7篇を収める。

題名どおり、巷説百物語の、上方版。役どころとして”御行の又市”にあたるのが”靄舟の林蔵”。キメのセリフは「これで終いの金毘羅さんや」。又市とは悪友、腐れ縁。

ってわけで、はい、面白く読ませて戴きました。京極夏彦、相変わらず達者でんなあ。

この物語には、山岡百介にあたる人物が「いない」からね。ワトソン役が語るのでない物語、ってわけで。多くの場合実は”仕掛けられる側”から語られる、このお話の感じは、独特です。思うに、本人ですら知らない、覚えていない、意識していない、そのことが、自身の意識によって暴かれていくというその感じが、人の心の中に、”魔”が”棲む”って感じにぴったり合ってるんだよなー。わざと?わざと?うまいなー。

見た目厚いんですけど、会話が多いし字も大きめで、あっという間に読めてしまいます。京極ファンは必読でしょう。ってオレなんかに言われなくてもきっとみんなもう読んでるか。

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2011年3月 3日 (木)

【書評】カラー版 小惑星探査機はやぶさ ―「玉手箱」は開かれた (中公新書)  著者:川口淳一郎

小惑星探査機はやぶさ読了◎。副題は”「玉手箱」は開かれた”。2010年11月16日、小惑星探査機「はやぶさ」がイトカワから地球に持ち帰ったサンプルがイトカワのものだと発表された。人類の作ったものが地球の引力圏外まで行って着陸し、再び戻ってきたのは、有史以来この「はやぶさ」が初めてである。日本の科学技術の粋を集めた「はやぶさ」誕生の経緯、打ち上げの模様、そして見舞う様々なトラブルを如何にして乗り越え、帰還を果たしたのか。プロジェクトを率いた本人が、熱く語る。

基本的に、科学者が一般読者向けに、今回のミッションの一部始終を分かりやすく書いている本、なんです。あおりなしやらせなし演出なし。あるのは事実の記録と明快な解説。にも関わらず、滲み出る熱い想い、とでも申しましょうか。出張帰りの新幹線の中で読み始め、手に汗握り、胸を熱くしながら一気読み。

ひとつのプロジェクトの裏には、これだけの歴史があり、創意工夫があり、想いがある。努力があり、意思があり、成長がある。これ、途中で止めらんなかったよ。どーしても。ええ本です。一読をお奨めします。

この時期に勉強しなくてどうする?いやそれはその通りなんですが(汗)。いやあの、読み終わった後はちゃんと勉強してましたって。ホントに。いやこの、技術に関わる人はコレはイロイロな意味で必読だと、ってオレ誰に言い訳してんだ?(笑))

カラーの図版も豊富で、ヴィジュアルにも分かりやすく、これで960円は御買い得。そーだウチの息子たちにも読ませよう。どっちも理系だし。理系の醍醐味ってゆーか、技術の持つ力の凄さってゆーか。感じて欲しいなあ。

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