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2011年1月16日 (日)

【書評】日本語ほど面白いものはない―邑智小学校六年一組特別授業 著者:柳瀬 尚紀

日本語ほど面白いものはない読了○。副題は「邑智小学校六年一組特別授業」。著者は語呂合わせと言葉遊びで有名な翻訳家。翻訳不可能と言われたフェネガンズ・ウェイクの翻訳で知られる。その他ルイス・キャロルやロアルド・ダール等の翻訳を多く手がけてきた。その著者が、ふとした縁から島根県の山あいの僻地、美郷町にある邑智(おおち)小学校で、特別授業をすることになった。生徒は六年生全員の十六人。2009年10月28日に行われた特別授業の模様を再現する・・・。

中身はこんな感じ。例によって・・・以下はワシの補足。
1 子どもの本屋さんに誘われて・・・著者の経歴、特別授業のきっかけについて
2 みんな日本語という世界の住人-第一回特別授業
3 六年一組十六名からの手紙
4 邑智小学校は開校七年目・・・過疎という現実と、教育環境の素晴らしさについて
5 最大の奇蹟は言語である-第二回特別授業
6 子どもたちの創作
7 空想授業:邑智中学校一年生に向けて

この本を読むまでは柳瀬尚紀さんという方を特に意識したことはなかったのだが、調べたらワシの場合、ルイス・キャロルで結構お世話になってましたな。「不思議の国の論理学」とか「もつれっ話」とか、「かつらをかぶった雀蜂」とか。そーか、あの人か!って感じ。なんつってもルイス・キャロル、地口と駄洒落はてんこ盛りなんで、翻訳は並大抵の苦労じゃないだろな、ってのは、昔、読みながら思った覚えがあるぞ。

言葉遊びの技量は授業でも如何なく発揮されていて、邑智小学校を謳いこんだ「いろは歌」(同じ音は一度しか使えない)を作ったり、「おおちしようがつこう」を文頭と文末に折句して10X10のマスを全て埋めたりと、言葉遊びの天才の面目躍如。さすがだ。

冒頭の著者の略歴が面白い。翻訳にのめり込んで大学を辞めちゃったり、「好きなことしかしない」「嫌なことはやらない」と宣言したり、相当に偏屈で頑固な変人だな、と。うーむ、羨ましいぜ。それをやっても喰えるってのは素晴らしい。オレもそーゆーのに憧れるけど、とてもそれを通せないもんねぇ。

そんな、小学生の教育とは無縁に生きてきた著者が、僻地で小学生を相手の特別授業、ってのもミスマッチで面白い。縁というか。めぐり合わせというか。結果的に過疎とか教育について、いろいろと考えさせられる本になっています。

んーでも、本音を言うとな、オレの趣味から言うと、ちょっとツメが甘いというか。いやもっとガチで日本語の面白さについて、やってくれる本かと期待してたものでなあ。ちょっと方向性が違ったか。わがまま言ってすんません。

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