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2010年12月 5日 (日)

【書評】スティーブ・ジョブズの再臨―世界を求めた男の失脚、挫折、そして復活 著者:アラン・デウッチマン

スティーブ・ジョブズの再臨読了◎。副題は「世界を求めた男の失脚、挫折、そして復活」。ジョブズがアップルを追われ、ネクストが失敗に終わり、しかしピクサーと共に蘇って、そしてアップルに返り咲くまで。ジョブズ周辺の人物への徹底した取材によって、生身のスティーブ・ジョブズ像を描き出す。

よくあるジョブズ礼賛本、ではない。アップル神話本ではない。寧ろ暴露本に近い。神話としてのジョブズでなく、生身のジョブズ。んで、こーゆー切り口だと、「カリスマでなく悩み多き人間」、ってのがひとつのパターンですが、それとも違う。ジョブズの、魅力的で人を惹きつける部分をグッド・スティーブ、傲慢で人を傷つける部分をバッド・スティーブと呼び、この二つの相反する性格が並存する不思議な人物としてジョブズを描く。これは人を操作するための意識的な方法なのか?それとも?

今までの礼賛本では曖昧にしか、或いは、カリスマ性に華を添えるためのスパイスとしてしか、描かれていなかった、その手の「バッド・スティーブ」の振舞いを、遠慮解釈なく書く。しかし描くそこに悪意はない。一方で「グッド・スティーブ」の行いも描かれているが、これもまたそのこと自体を評価する書き方ではない。この本の中で”評価”されているのは、その”結果”だ。結果的に何が起こったか、もたらされたか、実現したか。ジョブズが、何に成功し、何に失敗したか。その原因はなんだったのか。それを見据える視点にブレはない。

ってわけで、まず、伝記として、アップル裏話本として、なかなか迫力のある興味深い本でした。特にアップルのネクスト買収によるジョブズ復活の舞台裏とかは、今までマック雑誌経由で知らされていた情報とは、大分異なる印象を受けるな。うん。だってこの本にはネクストのソフトウエアの話は出てこないんだよ?next-stepもObjective-Cも全然。それはそれでちょっと偏っているなあ、って思うけどね。

それから、個人的には、一種のビジネス本として、読んだような気がする。即ち組織をコントロールするための方法論、組織を破滅させるための方法論、としてね。で、そこからイロイロと発想が飛んで、アマゾンでマキャベリの君主論とアウレリウスの自省録を注文。後日感想をアップすることになると思います。

ジョブズはスゴイけど、一緒に仕事するには、どーよ?ってのは昔から言われてることではある。てゆーか、オレは一緒に仕事すんのは絶対ヤ だ、と思うわ。この本読んで尚更その感を強くした。でも、面白かったのと、ちょっとした発想のヒントを貰ったってことで、評価としては◎。そう、結果よ結果(笑)。

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