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2010年11月16日 (火)

【書評】報道が教えてくれないアメリカ弱者革命 著者:堤未果

報道が教えてくれないアメリカ弱者革命読了◎。副題は「なぜあの国にまだ希望があるのか」。”ルポ貧困大国アメリカ(岩波新書)”の著者、堤未果さんの前著。発行は2006年。

2004年のアメリカ大統領選挙では、全米の投票所の3割が電子式投票機を導入することになった。信頼性に問題があるという報告書が出されているにも拘らず。この選挙は歪められている。ジョン・B・ケニー(41歳)は、電子式投票機の危険性を訴えるためハンストをしながらアメリカ各地を廻る。その同行ルポ「大統領選の光と闇」と「正義の価値」。

2002年春にブッシュ政権によって通った、新しい教育改革法「落ちこぼれゼロ法案」によって、軍のリクルーターが高校に出入りし、高校生をスカウトすることが常態化した。軍に入れば大学進学その他の特典を得られるという甘言で釣って。案に相違して前線に送られ、帰国後も深刻なPTSDの症状に悩み、職を得られず、ホームレス化する若者たちを描く「アメリカの見えない徴兵制」、「見えない列車に乗せられる若者たち」。

こうした、アメリカの恐ろしい現実を見据えながら、それでも尚且つ著者はそこに希望を見る「未来を選び取る自由」、「エピローグ」、「あとがき」。

冷静に客観的に記述しようとしていた”ルポ貧困大国アメリカ”に比べて、もっとドラマっぽくって、ドキュメンタリタッチで、生々しい。読んでるとね、そのやり口の汚さ、えげつなさにね、ムカムカしてきて気持ちが悪くなるんですわ。搾取搾取搾取搾取搾取。アメリカ。怖えな。この社会の手触りは。読めば読むほど背すじが寒くなる。

日本は日本で腐っているが、アメリカも半端ない。つくづくこういう社会はごめんだよ。出張の電車の中で一気読みして、一日プリプリしていたように思います。読んじゃったら、冷静ではいられないよな。

しかしこの本が出版されてもう4年が経つが、さてアメリカは変わったのか?著者がこの本で信じた”希望”は現実のものとなったのか?イラクからの撤兵は?ねえ?そりゃ共和党から民主党に交代し、ブッシュはオバマになったけど、でも一旦出来上がった搾取システムは今日も着々と・・・。こわいこわい。一読をお奨めします。

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