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2010年10月22日 (金)

【書評】黒檀 (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 第3集) 著者:リシャルト・カプシチンスキ

黒檀読了◎。著者のカプシチンスキは、ポーランド人ながらアフリカに魅せられ、現地を精力的に取材し、第三世界の生の姿を活写する優れたルポルタージュを残した。ルワンダの大量虐殺を生んだ歴史の解説、ウガンダのアミン大統領の恐怖政治の現状、食事は一日一回のセネガルの片田舎の村の一日、等々、アフリカの過去・現在・未来を見据えるルポ、29篇を収める。

面白いです。面白いっていうとちょっとアレですが。アフリカ。一筋縄ではいかない。汚職と暴力と貧困と。砂漠と熱帯雨林と都市と。黒人と白人とアラブ人と。奴隷貿易と植民地主義と革命と。オ レ、アフリカについて、なーんにも知らなかったんだなー、と改めて驚いた。ま、ガッコじゃこれ教えてくんなかったよな。歴史でも地理でも公民でもね。

自分の知らなかった事実、想像だにしなかった世界、がここにある。人間が生きていくにはあまりに過酷な、生きるということが自然環境との不断の戦いであるような、生き残っているだけでひとつの達成であるような、そんな暮らし。或いはまた、社会基盤がぐずぐずに崩れ、軍隊が自国の女・子供から富を収奪し、難民キャンプには人が溢れているような社会。はあー。このぬるい日本に生きていることがとても幸せなことに思えてきます。

んでもって、書かれている事実の面白さと併せて、この著者の視線と文章がまたいいですねえ。自らの体験と内省に照らした、静かだが迫力に溢れた文章です。終わり方に独特の余韻があるよね。私は全く存じ上げませんでしたが、世界的には有名な作家でありルポライターなんですねえ。しばらく他の本も追掛けて読んでみようと思います。

自分の常識がぐらっと揺れる一冊。一読をお奨めします。

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