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2010年9月18日 (土)

【書評】タイム・トラベラー タイム・マシンの方程式を発見した物理学者の記録 著者:ロナルド・L・マレット、ブルース・ヘンダーソン

タイム・トラベラー読了○。副題は「タイム・マシンの方程式を発見した物理学者の記録」。著者のロナルド・L・マレット博士は、アフリカ系アメリカ人で、コネチカット大学理論物理学教授。アインシュタインの重力場の方程式を応用し、リングレーザーを用いて時空を歪め、閉じた時間のループを作ることが可能であることを示した。

マレット少年が10歳のとき、最愛の父親が心臓発作で亡くなった。一家の生活は暗転する。タイムマシンを作って、過去に旅して父親に会い、検査と静養を忠告する。マレット少年はその空想に繰り返し繰り返し浸る。しかしタイムマシンはどんな原理で、どうやって動くのか。いつ実用化されるのか。マレット少年は、自らがタイムマシンの発明者となるべく、数学と物理学の勉強を開始する。

ってわけで、”タイム・トラベラー”なんていうと、トンデモ本っぽい感じですけど、中身はごくまっとうです。内容はマレット博士の自伝8割と、上記タイムトラベル理論の解説2割ってトコですか。自伝部分は、ちょーっと味付けが通俗的過ぎる気がせんでもないが、丁寧に書かれています。変人として社会的に排除されることを惧れ、タイムマシンへの興味をひたすら隠し、しかしこつこつと関係のありそうな分野の研究を続けていく。終盤、学会でタイムマシンの原理について発表し、そして自らの動機を告白する場面は感動的ですね。

そのタイムマシンの原理も、途中を端折って結果だけ見れば、ごく単純な原理です。曖昧な前提も奇抜な仮定も必要ない。ごくまっとうに重力場理論を応用しただけ。そこが凄いね。それが証拠にアメリカで特許として申請され、2008年に仮特許が下りている由。

タイムマシン。ある意味もう夢物語じゃない。現在の技術で工学的に出来てしまう。こりゃまた何とも。

ええ?じゃ、”時間旅行者のパラドックスは?”ってゆーツッコミは当然出てきますよね。それについては”この”タイムマシン理論の限界がひとつあるんです、ってことだけ。全部バラすのは読む気を削ぐでしょ?

夢を持ち、ひたすらそれを追掛ける人生。ウチの息子にも読ませて見ました。同じ物理学の徒だし。もっと一生懸命勉強しろよ、って意味も込めてね。ってそれはオレもか。

<追記>
記事をアップしたあと、気になったんでアメリカの"仮特許"についてネットで調べました。うーん。ざっと読んだ感じでは"仮特許出願"はあるけど、通常の出願が"仮特許査定"される、ということはなさそうに思える。翻訳のミスか?元々が特許出願でなく仮特許出願だとすると、実体は審査されていない可能性がある。どーよ?ちょっとトンデモなカホリがしてきたような?

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コメント

ロナルドさんの本わたしも読みました。
タイムトラベルの話より父親の話のほうに
心をうたれました。
黒人が大学教授になるのは本当に大変だったろうと思います。
タイムトラベル原理の内容は?な部分が多いですが多分彼の情熱の強さにまわりも折れたのかなと思います。
そんな甘い世界ではないはずなので、彼はかなりラッキーマンではあると思います。
リサの5次元の本も読んだのですが、最近の宇宙工学の世界もだいぶん変わったんだなと思いました。
まるで小説をよんでるかのようです。

投稿: | 2013年8月29日 (木) 04時24分

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