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2010年9月12日 (日)

【書評】死にとうない 著者:堀和久

死にとうない読了◎。副題は「仙厓和尚伝」。江戸時代、博多の聖福寺の中興の大和尚と言われた仙厓はまた、破天荒な生き方で知られ、風狂和尚、気違い禅師などとも呼ばれた。仙厓の描く単純な線の画と、人を喰った賛は有名だ。今、仙厓は隠居所で病床にある。瞼の裏には七十年あまり前の己の雲水姿が映っている・・・。

ってことで副題のとおり、実在の人物である仙厓和尚(仙厓義梵)の伝記です。伝記ですが、手法も視点も完全に”小説”として描かれています。なんて言うんでしょうか、とてもよく”こなれて”いて、小説としての完成度は意外なほど高いと思います。

新大阪-東京の新幹線の中で一気読み。坊主の伝記って、分かった風な逸話とか、そういうおためごかしの世界に行き勝ち、ってゆーのはオレの偏見か?

・・・・・。だよねえ。そうそう簡単に悟ったりしてたまるかってんだ。なあ?

ま、取り敢えずこの本には、それはない。あくまで人間臭く、理性と本能、嫉妬と欲望、虚勢と意気消沈、いろんな心の動きがとてもとてもリアルに描かれていて、思わず主人公に自分を重ね合わせて読んでしまい、本を置くあたわず。ホントは時間の半分は弁理士の勉強に充てようと思っていたので、計算が狂った。んーでも途中でどうしても中断できなかったな。

この本を読むまでは、この仙厓義梵って人のことは、下手糞な絵を描く禅僧、って位の知識しかなかった。壮絶な人生だ。のた打ち回るような。自分の心の中のモノと戦っての。うんうん。オレも覚えがある。って、そりゃ比べものになんないっつーの。でもな、実は今日、出張先の大阪でな、すげー自己嫌悪なことがあってな。思わず没入してしまったのはそのせいもあるかも。読書体験というのも”縁”ですなぁ。

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