« 2010年8月 | トップページ | 2010年10月 »

2010年9月26日 (日)

【アプリレビュー】iSpeed for iPhone、やっと出たか!

ってわけで、iSpeed for iPhone、やっと出ましたよ。

iPhone買ったばっかりのころ、iSpeed使ってみたらどーしよーもなく使いづらいアプリで、がっかりしたわけですが。今回のバージョンアップで漸く使えるものになった。んーでも実はいま、熱心なユーザーってわけではないので、わざわざアプリレビュー書く程のことはないんだけど、一度貶している以上、バージョンアップがあって、それなりに改善されていたらフォローしとく義務があるかな、ってことで、この記事を書いております。なんっっっっっという、良心的な態度!

旧バージョンはひどかった。①iPhoneネイティブでなくサファリ上でWebを呼び出すだけ、②そのWeb画面も携帯用のiSpeedを流用した見づらいもので、③機能は携帯用の限定版みたいな感じ。④中でも銘柄を登録しておくことが出来ないのが致命的だった。いちいち銘柄コードをチマチマ入力しなきゃなんなかった。阿呆か。 手抜きにもほどがある。ま、どう見てもこりゃツナギで出したな、って内容。

新バージョンになって、これらは全て解消されています。ちゃんとiPhoneネイティブで、インターフェースもiPhoneらしく、機能的にも携帯用iSpeedと比べて遜色ない。登録しといた銘柄を一覧し、どれかを選んでタップして、より詳しい情報を得ることが出来る。チャートとか、ニュースとか、板情報とか、最高値最安値とか、ね。

前にも書いたが携帯用のiSpeedって内容も操作性もすごく良く出来ているので、これを超えるのはある意味なかなか難しかったと思うんですよ。でも、今回のバージョンアップは、きちんとええ仕事しましたな。即ち、携帯に対するiPhoneの強み(操作の多様性、画面の大きさ)をきっちり踏まえて作り込んで来ている。提供される情報の量が増えた(為替レートとかニュースとか)のもさることながら、”シェイクすると情報更新”とか、”ページめくりはスワイプ動作”とか、”ヨコ持ちでチャート拡大(分足、日足、週足、月足切り替えボタンつき)”とか、「普通の携帯には出来ない」操作性をしっかり実現してくれていて、単なる移植ではない、iPhoneらしいアプリになっているのは嬉しい。

ってわけで、(お勉強が忙しくってあんまり使ってはいないのですが)このアプリはお奨めです。そーだ、あとは次回バージョンアップで、「必ず上がる株」をこっそり教えてくれる機能がつけば、最強なんですけど(笑)。

にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ ←ポチっとクリックしていただけると大変ありがたいです。
にほんブログ村

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年9月18日 (土)

【書評】タイム・トラベラー タイム・マシンの方程式を発見した物理学者の記録 著者:ロナルド・L・マレット、ブルース・ヘンダーソン

タイム・トラベラー読了○。副題は「タイム・マシンの方程式を発見した物理学者の記録」。著者のロナルド・L・マレット博士は、アフリカ系アメリカ人で、コネチカット大学理論物理学教授。アインシュタインの重力場の方程式を応用し、リングレーザーを用いて時空を歪め、閉じた時間のループを作ることが可能であることを示した。

マレット少年が10歳のとき、最愛の父親が心臓発作で亡くなった。一家の生活は暗転する。タイムマシンを作って、過去に旅して父親に会い、検査と静養を忠告する。マレット少年はその空想に繰り返し繰り返し浸る。しかしタイムマシンはどんな原理で、どうやって動くのか。いつ実用化されるのか。マレット少年は、自らがタイムマシンの発明者となるべく、数学と物理学の勉強を開始する。

ってわけで、”タイム・トラベラー”なんていうと、トンデモ本っぽい感じですけど、中身はごくまっとうです。内容はマレット博士の自伝8割と、上記タイムトラベル理論の解説2割ってトコですか。自伝部分は、ちょーっと味付けが通俗的過ぎる気がせんでもないが、丁寧に書かれています。変人として社会的に排除されることを惧れ、タイムマシンへの興味をひたすら隠し、しかしこつこつと関係のありそうな分野の研究を続けていく。終盤、学会でタイムマシンの原理について発表し、そして自らの動機を告白する場面は感動的ですね。

そのタイムマシンの原理も、途中を端折って結果だけ見れば、ごく単純な原理です。曖昧な前提も奇抜な仮定も必要ない。ごくまっとうに重力場理論を応用しただけ。そこが凄いね。それが証拠にアメリカで特許として申請され、2008年に仮特許が下りている由。

タイムマシン。ある意味もう夢物語じゃない。現在の技術で工学的に出来てしまう。こりゃまた何とも。

ええ?じゃ、”時間旅行者のパラドックスは?”ってゆーツッコミは当然出てきますよね。それについては”この”タイムマシン理論の限界がひとつあるんです、ってことだけ。全部バラすのは読む気を削ぐでしょ?

夢を持ち、ひたすらそれを追掛ける人生。ウチの息子にも読ませて見ました。同じ物理学の徒だし。もっと一生懸命勉強しろよ、って意味も込めてね。ってそれはオレもか。

<追記>
記事をアップしたあと、気になったんでアメリカの"仮特許"についてネットで調べました。うーん。ざっと読んだ感じでは"仮特許出願"はあるけど、通常の出願が"仮特許査定"される、ということはなさそうに思える。翻訳のミスか?元々が特許出願でなく仮特許出願だとすると、実体は審査されていない可能性がある。どーよ?ちょっとトンデモなカホリがしてきたような?

にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ ←ポチっとクリックしていただけると大変有難いです。
にほんブログ村

| | コメント (1) | トラックバック (0)

2010年9月12日 (日)

【書評】死にとうない 著者:堀和久

死にとうない読了◎。副題は「仙厓和尚伝」。江戸時代、博多の聖福寺の中興の大和尚と言われた仙厓はまた、破天荒な生き方で知られ、風狂和尚、気違い禅師などとも呼ばれた。仙厓の描く単純な線の画と、人を喰った賛は有名だ。今、仙厓は隠居所で病床にある。瞼の裏には七十年あまり前の己の雲水姿が映っている・・・。

ってことで副題のとおり、実在の人物である仙厓和尚(仙厓義梵)の伝記です。伝記ですが、手法も視点も完全に”小説”として描かれています。なんて言うんでしょうか、とてもよく”こなれて”いて、小説としての完成度は意外なほど高いと思います。

新大阪-東京の新幹線の中で一気読み。坊主の伝記って、分かった風な逸話とか、そういうおためごかしの世界に行き勝ち、ってゆーのはオレの偏見か?

・・・・・。だよねえ。そうそう簡単に悟ったりしてたまるかってんだ。なあ?

ま、取り敢えずこの本には、それはない。あくまで人間臭く、理性と本能、嫉妬と欲望、虚勢と意気消沈、いろんな心の動きがとてもとてもリアルに描かれていて、思わず主人公に自分を重ね合わせて読んでしまい、本を置くあたわず。ホントは時間の半分は弁理士の勉強に充てようと思っていたので、計算が狂った。んーでも途中でどうしても中断できなかったな。

この本を読むまでは、この仙厓義梵って人のことは、下手糞な絵を描く禅僧、って位の知識しかなかった。壮絶な人生だ。のた打ち回るような。自分の心の中のモノと戦っての。うんうん。オレも覚えがある。って、そりゃ比べものになんないっつーの。でもな、実は今日、出張先の大阪でな、すげー自己嫌悪なことがあってな。思わず没入してしまったのはそのせいもあるかも。読書体験というのも”縁”ですなぁ。

にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ ←ポチっとクリックしていただけると大変ありがたいです。
にほんブログ村

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年9月 5日 (日)

【書評】モスラの精神史 著者:小野俊太郎

モスラの精神史読了◎。1961年に制作費2億を掛けた東宝スコープ総天然色大作として、日米合作で製作され、配給された怪獣映画「モスラ」。なぜ”蛾”なのか?印象的なあの歌の意味は?当時の社会状況を踏まえ、あの映画に託されたメッセージを読み解く。

いやー面白い面白い。どれくらい面白いかってゆーと、この本読んで、早速アマゾンで「モスラ」のDVD注文してしまった、ってゆーくらい面白い。

オレ、1962年生まれで、世代的に「怪獣映画」の洗礼を受けた世代なんで、ゴジラもモスラもキングギドラもガメラもウルトラマンも、基礎的な教養として、当然知ってる、つもりだった。でも「モスラ」って1961年なのね。生まれる前じゃん。そーか、オレが記憶しているモスラはその後の続編のモスラなんだな。これはいけない。オリジナル、観なきゃ。

っていう、オタクとしての矜持(なのか?)の問題を別にしても、この本読むと「モスラ」観たくなると思いますよ。因みに中身はこんな感じ。

プロローグ モスラの飛んだ日
第1章 三人の原作者たち
第2章 モスラはなぜ蛾なのか
第3章 主人公はいったい誰か
第4章 インファント島と南方幻想
第5章 モスラ神話と安保条約
第6章 見世物にされた小美人と悪徳興行師
第7章 『モスラ』とインドネシア
第8章 小河内ダムから出現したわけ
第9章 国会議事堂か東京タワーか
第10章 同盟国を襲うモスラ
第11章 平和主義と大阪万博
第12章 後継者としての王蟲
エピローグ 「もうひとつの主題歌」

繰り返しますが、面白い。思うに、著者の立ち位置、絶妙にバランスが取れていますね。これが大きい。時代の無意識に対する精神分析的なアプローチと、実際に映画が製作された現場や過程を実証するスタンスとが、いい感じで混ざっている。バランスが取れている。独りよがりの決め付けに走らず(二流の学者が陥り勝ち)、トリビア知識の自慢に堕さず(二流のオタクが陥り勝ち)、一見無関係或いは瑣末と見える知識を結びつけて、時代を語る。押し付けがましくなく。様々なレベルで。愛を持って。

だから、ある意味とてもオタクっぽい本なんだけど、鬱陶しくない。胡散臭くない。ええ本です。一読をお奨めします。

なるほど。この立ち位置か。勉強になりますぅ。

にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ →ポチっとクリックしていただけるとたいへん有難いです。
にほんブログ村

続きを読む "【書評】モスラの精神史 著者:小野俊太郎"

| | コメント (0) | トラックバック (1)

2010年9月 2日 (木)

【書評】条文を捉える 著者:久野浜男

条文を捉えるⅠ~Ⅳ読了◎。工業所有権四法の逐条解説本。青本の向こうを張って、独自のスタンスで条文に徹底的な解説を加える。独自のスタンスとは、即ち一般法(民法、民事訴訟法等)に対する特別法として見た場合の、工業所有権法の意義を明確にするということ。

ってわけで条文を捉えるⅠ~Ⅳ、やっと読了。Ⅰを読み始めたのが確か7月の10日頃でしたから、50日ほどで一回廻した計算になります。思ったより時間かかったな。

ええ本です。って今更ワシみたいのが書くのもなんなんですけど。

この本、弁理士受験界ではどの程度ポピュラーなんでしょうね?Ⅰの初版の発行が平成20年11月28日なんで、まだ2年経ってないわけですよね。新しいんで、合格体験記の類にもあまり出てこない。即ち、良いも悪いも、ネット上に評判が蓄積されていない状態だと見ました。初学者は評判を見て教科書・参考書を選定しますから、その意味でまだポピュラーになってないんではないか、と想像します。

ワシから見たら、これ、むちゃくちゃええ本です。少なくともワシのようなレベル(スタートして3ヶ月弱の初学者)にとっては、理想とも言える内容。青本を読むのが辛いアナタ。取り敢えずこっちを読んでみることをお奨めします。同じ逐条解説でも、こっちは読みやすい。深い。痒いトコに手が届く。

これは、立ってるスタンスの差、だよね。青本って、立法者自身の書いた解説ってことで、基本中の基本だとは思うけど、スタンスは受験者を向いてない。官僚として”経緯を記録しておく”っていう、その目的に向かって書かれているからな。先輩の批判も出来ないだろうし。可読性を上げる、なんて発想もない。読み辛いのは、まあ当たり前なんだよね。

その点、条文を捉えるⅠ~Ⅳは、徹底的に受験生の立場に立って書かれている。だからすげー読みやすい。記述で特徴的なのは、1.一般法(民法・民事訴訟法等)との対比、以外にも、2.可読性向上を意識する、3.関連する判例の紹介、4.列挙の徹底、5.例示、6.法律用語の説明(基礎の基礎から)、ってトコですか。

特に④列挙の徹底、は助かる。例えば「特9条:代理権の範囲」を例にとると、”・・・列記事項を書き下す。”として、以下の9類14項目が書き下してあります。
①特許出願の変更、特許出願の放棄、特許出願の取り下げ
②存続期間延長登録出願の取り下げ
③請求の取り下げ、申請の取り下げ、申し立ての取り下げ
④国内優先権の主張、国内優先権の取り下げ
⑤実用新案登録に基づく特許出願
⑥出願公開の請求
⑦拒絶査定不服審判の請求
⑧特許権の放棄
⑨復代理人の選任

そーか、この9類14項目なのか、って見通しが立つと大分気が楽になる。気が楽になると覚えよう、って気になるじゃないですか。ね?

それから例示に関して言うと、例えば「請求とは具体的に何か」ってのも例を示してくれるわけですわ。”「請求」には、期間延長の請求、期日変更の請求、判定の請求、裁定の請求、裁定取り消しの請求、審判の請求、訂正の請求、既納特許料返還の請求、出願審査手数料返還の請求、既納手数料返還の請求、がある。”てな感じにね。

ってわけで、この記事、もしかしたら言わずもがなな内容かもしれないけど、とにかく面白く読ませて戴きました、理解の役にも立ちました、ってことで、とてもとても感謝しながら書いてます。ありがとう。さてすぐ2廻し目に入るぞ。

因みにこの記事の冒頭、Ⅳへのリンクが欠けているのは、アマゾンにⅣが出てないせいです。売れちゃったのか?

にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへにほんブログ村 士業ブログ 弁理士へ→ポチっとクリックしていただけると大変有難いです。
にほんブログ村

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2010年8月 | トップページ | 2010年10月 »