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2010年5月25日 (火)

【書評】ハル、ハル、ハル 著者:古川日出男

ハル、ハル、ハル読了○。この物語はきみが読んできた全部の物語の続編だ”ハル、ハル、ハル”、あらゆる日記がいかにも日記って体裁で書かれるとは限らない”スローモーション”、千葉県の大部分は房総半島だ”8DOGS”、中篇3篇を収める。

この本の最終ページに、著者自身が”新しい段階に入った”と宣言する、この文体。ええーっ、そうなんですかあ?納得がいかないなあ。やっぱアレですか、ケータイ小説とかを意識して、”喋るように書く文体”を開発しました、ってことですか?

個人的な好みから言うと、この文体で書かれた物語はあまり好きではないな。文体そのものが、というより、文体を変えたことによって話の広がりが制約されてしまう、そのことがイヤだね。この文体だと、語られた”物語”に注目するのではなく、物語を語る”人物”に注目してしまうんだよな。”物語”は”その人物が語った物語”になる。ワタシにとって、物語”を読むのと、”その人物が語った物語”を読むのとは、全然別のことなんだなーって思ったことですよ。

それを生かした(様々な語り口で)ポリフォニックに語られる長編、ってのはありなのかもしんないがなあ。そのための習作としての、これら中篇か?でもなあ。ちょっと違うような気がするなあ。

地の文は無色透明な方がいいよ。このヒトの書く物語の魅力は、凄いスピードで紡ぎ出される嘘の圧倒的な量にあると思うのだ が。それを支えている要素のひとつに、視点を切り替えるテクニックがあるよね。この文体だと視点は切り替えられない。結果、中身が貧弱になってしまう、っ てこと?

ってわけで、納得がいかない。そーか。こっち方面に行っちゃいましたか。うーむ。この”段階”に至る前の、このヒトの小説で、まだ読んでないのは、「聖家族」かな?ううむ。勿体ない。取っといて、大事に大事に読もうと思います。

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