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2010年4月27日 (火)

【書評】天地明察 著者:冲方 丁

天地明察読了◎。時は江戸時代初期、四代将軍家綱の世。戦国の風を過去のものとすべく、文治による政治の基礎が固められつつある時代。

囲碁の家元四家のひとつである安井家の碁打ち、二代目安井算哲は養子である兄の算知に遠慮し、保井姓或いは渋川春海を名乗っている。自らの曖昧な立場と退屈な御城碁に飽きつつも、真面目に職分に励む彼の楽しみのひとつは算術。市井の算術塾で、全ての設問を一瞥即解する人物の噂を聞く。その天才の名は関孝和。関が自分と同年と知った春海は衝撃を受ける。

春海は老中酒井忠清の指名により、北極出地という、幕府による測量隊のメンバーに抜擢される。一隊は日本全国を測量し、また、暦についての研鑽を積む。元(ゲン)で開発された授時暦による改暦こそが混乱を収拾し、併せて文治政治の担い手としての新しい武士像の提示となる。幕閣の重鎮保科正之の深慮によって、春海は秘密裏に改暦の儀のリーダーを拝命する。

数年に亘る研究の末、春海が提案したのは、暦により日蝕・月蝕を公開予測し、六番勝負でその精度を競うという、前代未聞の方法であった。自らの取得した授時暦の精度に自信を持つ春海だったが・・・。

わお!これは!凄いです!面白い!うーん、参った。こおいう言い方は失礼ですけど、冲方 丁、化けましたねー。大化け!正統派時代小説、正統派ビルドゥングスロマン、正統派エンタテインメント、ってトコでしょうか。お恥ずかしい話ですが後半、目頭を熱くしながら一気読み。魅力的なキャラクター、歴史的事業の重み、受け継がれる思い、日本独自の算術の世界、友情と愛情と。どれ一つを取っても、見過ごせない、目が離せない。将に、本を置く能わず。いやー、凄え。

ってわけで、これはお奨めです。読みましょう。是非!

(ついでと言っちゃーなんですけど、同じ著者による、マルドゥック・スクランブル(第1巻「圧縮」、第2巻「燃焼」、第3巻「排気」)も超お奨めです。こっちは読めるヒトと読めないヒトがいるとは思うけど。因みにウチのヨメさんはこっちはギブでした。まったく。)

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