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2010年4月 2日 (金)

【書評】孫の力―誰もしたことのない観察の記録 著者:島泰三

孫の力―誰もしたことのない観察の記録読了○。著者はニホンザルとアイアイの研究で有名な霊長類学者。その手法で自分の孫を観察し、人間の”心”が生まれ、発達する様子を記録した。著者にとっては1970年に始まるニホンザル、1983年以来のアイアイに続く、ヒトの子供の観察である。

って書くと、なにやら冷静で精緻な観察記録、みたいなものを想像するかもしれませんが、これは半分冗談。そうではありません。どっちかっていうと、祖父の孫に対する愛情に満ちた日々の日記、って感じ。一種の孫オノロケ本というか。育児エッセイというか。

でもやっぱり普通の子育て記録とは違っていて、その観察の細かさ、意味づけの的確さは、さすが長年やってきたプロの目を感じさせるものです。”はじめての後悔”とか、”恐怖の克服”とかのエピソードが面白いなぁ。大人になると”後悔”も”恐怖”も既にそこに”あるもの”ですけど、改めてその発生 の模様の観察を読むと、それが”心”の発達によって”生まれてきた”ものであることがわかるよね。その感じが新鮮だ。加えて、随所に挟まれる霊長類学者としての薀蓄の部分(孫はヒトにとってだけ特別な意味を持つ子孫である、とか)、著者本人の幼時の記憶(祖父母との関わり、とか)等々がいい感じで”厚み”を醸していると思います。ええ本です。一読をお奨めします。

孫か。ウチの息子たちが結婚して子供が出来たら、オレも孫と出会うわけで・・・。うーむ。想像できない。想像できないなー。だいたいその前にあいつら結婚できるのか?いやそれ以前に”オツキアイ”したことあんのか?なあ?・・・つくづく、人生、心配の種は尽きない。

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