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2010年3月 9日 (火)

【書評】人間の建設 著者:小林秀雄、岡潔

人間の建設読了◎。元々は1965年に出版されたもの。評論家小林秀雄と数学者岡潔の対談。内容は、例えば相対性理論から教育問題まで、或いは俳句からドストエフスキーまで、それとも日本酒から絵画まで、等々、多岐に亘る。

誰のつぶやきだったか、もう忘れちゃったけど、Twitterでこの本を紹介している文章を見かけ、ありていに言えば雑談だけど、その雑談がハイレベルで・・・、みたいなことが書いてあり、あ、面白そう、ってんで読んでみた。いや確かにハイレベルな雑談だ。面白い面白い。

1965年って、オレ、3歳だったわけでな。もう、大昔だよなぁ。

”昔の日本人”の一本芯の通った感じがなんとも心地よいです。ご両人とも。お互いへのリスペクトがお互いへの好奇心となり、数学について或いは文章について、ツッこんで訊いていくあたり、そしてそれに明晰に答えていくあたり、なんだか読んでてわくわくしますね。

岡潔さんの問題意識、「知で納得しても情が納得しなければ納得したことにならない」だとか、絵の調和・不調和は胃の生理に結びついているのではないか、だとか、心についての計算理論とか進化心理学的な切り口に近いトコを衝いているように見えるな。すごい。何年先行している?

さて、話はあっちこっちへ飛び、してますけど、中心にあるのは、表題になっている「人間の建設」についての興味というか関心というか、危機感でしょう。教育問題ですね。特に岡潔さんが、”個性”について「個性はみな違っているが、他の個性に共感するという普遍的な働きを持っている。それが個性の本質」って発言を、不思議だがそうなのだ、という立場でしきりと喋られる姿が、とても印象的です。

逆に、物質と精神についての対話の部分は、その後の脳科学の研究の成果に鑑みて、む、もうその論証は古いのでは、的な部分もあったりするのですが、言いたいことは理解出来るのでそれほど気にならない。ってゆーか、二人の偉人に敬意を表して、気にしない、って感じか。論文でなくて対談だし、みたいな。取り敢えず、一読をお奨めします。”古さ”が”新しい”です。ああ。この記事、何書いてんだか、我ながらようわからんように。スマン。

<追記>
なんだか散漫で論旨の一貫しない記事を書いてしまい、アップしたあとなんとなく胸がモヤモヤ。なんだこれは?って思って判った。気の利いたことを言いたいけど言えない、思いつかない、っていうモヤモヤ。かっこつけるとロクなことがないよな。

本質が雑談なんで、メモを取ってまとめるのもなんだかな、だし、話がホントに多岐に亘るんでそもそもまとめようがないというか。でも結局、読後、一番頭に残ってたのは、1965年発行のこの本の中で心配されている、世界の知力の低下、日本の教育の現状。で、それから約50年が過ぎ。事態は悪化の一途だよなぁ、どう見ても。岡先生。ごめんなさい。そう、これが言いたかった。なるほど。

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