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2010年3月12日 (金)

【書評】東大の教室で『赤毛のアン』を読む 著者:山本史郎

東大の教室で『赤毛のアン』を読む読了○。副題は「英文学を遊ぶ9章」。東大の英文学の教授による、”イギリス児童文学入門”であり、”19世紀イギリス小説作品読解入門”であり、更には”論理的な思考による立論のやり方入門”。

取り上げられている作品とテーマは以下のとおり。
1 場面のポイントを読み取る-駅長は何故孤児を隠していないのか?・・・赤毛のアン
2 伝統を読み解く-主人公はなぜ「押し入り」なのか?・・・ホビットの冒険
3 英語で遊ぶトールキン-ユーモアはファンタジーを破壊するか?・・・ホビットの冒険
4 『赤毛のアン』の謎-村岡花子はなぜ「マリラの告白」を訳さなかったのか?・・・赤毛のアン
5 『アン・オヴ・グリーンゲイブルズの謎』-モンゴメリーはなぜ「マリラの告白」をカットしなかったのか?・・・赤毛のアン
6 語り手の謎-語っているのはどんな人?・・・高慢と偏見
7 さまざまな視点-笑うべきか泣くべきか、それが問題だ!・・・大いなる遺産
8 名作と映画-映画はどこまで原作を裏切るか?・・・ジェイン・エア
9 プロットを評価する-『ジェイン・エア』はオカルト小説か?・・・ジェイン・エア

各章は、テーマの背景ついての説明と、例として取り上げられた作品の英文とその翻訳、それからゼミでの学生とのやりとりを模した解説、の3つで立体的に構成されていて、判りやすく読みやすい。著者の仕掛けに乗って、謎解きを楽しむような感覚で読み進むことが出来ます。引用されている英文もごく短いもので、単語の註もついており、特に英語力がなくても、読むのに困難を覚えるということはないでしょう。

”小説には書き手である作者の意図が反映されている”、という前提から出発して読むことで、見えてくるものがある。それこそたった一つの単語の選ばれ方からでも、作者の言いたかったこと言えなかったこと、等々が浮かび上がってくる。手掛かりを探し、証拠を集め、論理的に追究していく。推理小説のようにね。この本の面白さは、そこにあります。一読をお奨めします。

19世紀のイギリス小説か。ディケンズとかブロンテ姉妹とかですな。オレ意外とそのあたり読んでないなぁ。そういえば文学刑事サーズデイ・ネクストでも舞台はジェイン・エアだった。”みんな読んでて知ってる”って前提があるからああいうパロディが成立するわけで。あれモトを知ってた方が面白かったんだろね。

さあこれでまた読みたい本のリストが長くなったぞ。どうしたってこれは時間が足りないよな。アーリーリタイアして読書三昧、してみたいなあ。・・・しかし人はそれをリストラ或いは引きこもりと呼ぶかも。はっは。

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