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2010年3月28日 (日)

【書評】少年リンチ殺人-ムカついたからやっただけ 著者:日垣隆

少年リンチ殺人-ムカついたからやっただけ読了○。第一部、1994年6月29日深夜、長野県池田町で起きた事件。1人に対して8人で暴行。第二部、1997年11月7日深夜、長野県松本市で起きた事件。1人に対して15人で暴行。二つの事件に登場する人物はそれぞれ全く、面識も繋がりもない。にも拘らず、事件の構図はとてもよく似ている。いずれの事件も被害者の少年は常識では考えられないほどの暴力に曝され死亡。一方加害者の少年らは少年法に護られ、不起訴若しくは微罪或いは事情聴取のみで逮捕すらされない等々ですぐに娑婆に戻っている。

加害者と加害者の親にも何度も綿密な取材を行い、裏づけの取れた事実だけを用いて時系列に沿って事件を再現。その凄惨さに愕然とする。これが第一のショック。そして、事件のその後の取り扱い、加害者の少年たちの手紙、親の対応、等々の非常識ぶり。これが第二のショック。そして集団リンチの件数、等々の統計資料の意味するところ。いつでも起こりうるのだと。自分の子供が被害者にも加害者にもなり得るのだと。これが第三のショック。それから、一向に進まぬ少年法の改正に向けての動きの現状、これが第四のショックか。

なんというか、やりきれない気持ちになるよな。読めば読むほど。胃の辺りがおもーくなってくるような。何度ももう読めない、って放り出しそうになるが、必死に耐えて続きを読む。

文章は淡々としていて、過剰に煽ったり感傷的になったりはしない。それゆえに一層事件の凄惨さが際立つ。良くぞここまで調べたな。

同じ著者の「そして殺人者は野に放たれる」と併せて読むと、元凶が少年法にあるにせよ、刑法39条にあるにせよ、被害者(とその家族)の人権無視の日本の現状が良く分かります。読んで楽しい読書ではないが、読んでおかねばならない本だと思います。

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