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2010年3月15日 (月)

【書評】実践ガイド なんとか会社を変えてやろう―企業風土改革の進め方 著者:柴田昌治

実践ガイド なんとか会社を変えてやろう読了○。サブタイトルは「企業風土改革の進め方」。日本での”改革”に於いては、「波風を立てない」「言ってもムダ」といった、組織の風土・体質の根深い問題が障害となることが多い。分権化や実力主義転換等、組織再編や制度改革を断行すること自体はそれほど難しいことではないが、風土・体質の転換なくしては成功するはずはないのだ。実際に風土改革を行う上でのポイントを分かりやすく解説し、単なるポジティブシンキングや意識改革手法、或いはボトムアップの革命との違いを明らかにする。

序章 意識改革では変われない
第一章 問題を見えやすくするには
第二章 風土・体質を変えていくプロセス
第三章 気楽にまじめな話をする場づくり
第四章 キーマンと人材育成
第五章 人事制度と組織の改革
第六章 責任の明確な意思決定ルール
第七章 今の日本に必要なものは
終章 なんとか会社を変えてやろう

立ってるスタンスがいいよな。きれいごとでは済まない日本の会社の現実をキチンと踏まえたうえで、どうやるべきかを論じている。会議では表向きの発言しかしない、とか、不用意な実力主義は単なる足のひっぱりあいになる、とかのな。これをちゃんと認めた上で、議論をしていくというスタンス。これ、ありそうでなかった本かも。

そうなんだよ。教科書どおりにはいかないんだよ。ドロドロしてるんだよ。ナマナマしいんだよ。会社ってのはな!なにしろ皆さん生活が掛かってますからねぇ。裏もあれば表もある。本音もあればタテマエもある。欲もあれば嫉妬もある。ホントにそうだ。オレ、最近漸くそのことが身に沁みたっていう感じだよなあ。それは私自身の問題(アスペルガー的視野の狭さ)なんだけどね。

で、この本。「波風を立てない」とか「言ってもムダ」とか、如何にも日本的な言い回しでその現実を捉えつつ、意識改革とかの、一種の精神主義に逃げず、現実的にどう対処するかを考えていくわけですね。とても上手にバランスを取っているという印象を受けます。オレ自身がどっちかというと極端な性格だから、こういう、上手にバランスを取るという才能に憧れる、っていうのを差っ引いても、これはビジネス本としてはなかなか良い本だと思います。他の著作も読んでみるかな。

んで、さて、いろいろ試してみような。これからな。うん。ちょっとわくわくする感じだ。

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メモ。
・組織や人間関係の調整には二種類ある。問題や不満の原因を探り、きちんと議論をして理解を深める中で、みんなが協力してやろうという気運を高めるのが前向きな調整。
・危機感と恐怖感。情報不足による大局観の喪失は恐怖を生む。恐怖は人を萎縮させる。
・データ系の情報と現場感覚系の情報。「思い」や「熱意」。「表情」「雑談」「なぜ」。
・問題を見えやすくする。ハードの改革は、全て、「問題を見えやすくする」のがコンセプト。
・ハードの改革を成功させる前提条件としてのソフトの改革。「リ・コミュニケーション」=情報の流れ方と質を変える。相談しあえる関係を作る。キーマン同士の人間的繋がりを強化。
・感度のいいアンテナと大局観。困らせる仕組みを作る。トヨタのラインストップの例。
・「問題が見える仕組み」。問題が解決されやすい状況づくりが同時に必要。それが「気楽にまじめな話をする」。
・「主体的に責任を持って選択せざるを得ないようにする」。自律分散型組織。
・流れる情報の量と質を変えると問題の顕在化を促進する。根底に信頼感がなければならない。気楽にまじめな話をする。
・そもそも論が必要だ。青臭い議論に支えられた全体観を持つ人間が。人間としての生き方に照らした会社や仕事のあり方。
・企業風土改革は意識改革ではない。コミュニケーションの取り方を変えていく、他人との向き合い方を変えていく。その結果としてみんなの意識が変わる。
・牽制の中での競争と公平な競争。情報公開が前提。
・新しい管理職像。コミュニケーション力がマネジメントの基本。本気で耳を傾ける能力、自分の知識や経験を超えて聞き取る能力、相手の思いを受け止める能力。評価されるのは「方向性を打ち出す能力」「自分で責任を持って決める判断能力」。
・会社を変えていくプロセス。相談しあえる関係作り→理念・ビジョン・方針→戦略・業務改革の具体案→意思決定の仕方を変える→成果。
・基本的なスタンス。気楽な雰囲気。結論を出すことをノルマにしない。話し合うから聞き合うへ。立場を離れる努力をする。相手にレッテルを貼ったままにしない。正しいことを言い過ぎない。相手をやっつけ過ぎない。自分の弱みを素直に見せる。
・オフサイトミーティングの自己紹介。人間としての側面を。隠すと見せるの割合70%30%を20%80%くらいに。これが第一ステップ。
・如何に見えやすくする仕組みを作るか。これが第二ステップ。基礎となるのは「おかしいことをおかしいと感じる能力」。これを使って「環境変化に応じた課題を自分で見つけていく能力」を発揮する。そして、「ストーリー展開やシナリオを描く能力」で「いったいどこに本質的な問題があるのか」を問題提起する。
・問題意識があって、それを他の人とのかかわりの中で展開していける人を評価する。重要なトップの役割。
・気楽にまじめな話をする場。オフサイトミーティング、コアミーティング、ミニミーティング、三角パスミーティング。
(途中)

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