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2010年2月25日 (木)

【書評】キング・ラット 著者:チャイナ・ミーヴィル

キング・ラット読了◎。主人公の学生、サウル・ガラモンドは、父親の住むロンドン郊外のフラットに着いた。面倒なので父親には挨拶をせず、そのままベッドへ。ところが。次の日の早朝、警察が踏み込んで来た。父親が窓から飛び降りて死んでいたのだ、前の日の晩に。いったい何故?パニック状態のまま警察に拘留され、尋問を受けるサウル。事態は絶望的だ。その夜、留置場の扉が静かに開けられ、謎の浮浪者がサウルのもとを訪れる。男は昔からサウルを知っているのだと言い、脱獄させてやると言う。男の名は”キング・ラット”。見た目は人間、しかしその血はネズミ。下水道の奥、秘密の玉座に隠れている。そして語られるサウルの驚愕の過去。サウルは何に巻き込まれたのか?キング・ラットの狙いは何か?

ロンドンを舞台とした、ミステリであり同時にある種のハードボイルドでありはたまたゴシックホラーであり且つ都市小説んでもって音楽小説。ももももももものすごおおおおおおく面白かった!!!!うぁあぁあぁあぁあぁぁぁぁぁ!参りましたっ!

ペルディード・ストリート・ステーションの作者の作品だってんで、期待はしてたんですが。そうは言っても処女作だし、SFでなくミステリみたいだし、ま、ちょっと味見、って感じで軽い気持ちで読み始めて、あまりの面白さに一気読み、読み終わって暫し呆然。うーむ。この人凄え。完全にツボに嵌りました。

あいかわらずちゃんと”痛い”。ちゃんと”悔しい”。ちゃんと”情け容赦がない”。んでもって、ありきたりな解決を拒否する。この辺の、世界観のリアルさ、手触り、息遣い、ハンパないです。お話を終わりにすることに汲々としていない。

徹底的なリアリストの書いたファンタジー、と言えばこの人のある側面を紹介したことになるのだろうか。前にも書いたが今までのワタシの読書体験には居なかったタイプなんだよなあ。いい。もっと読みたい。他の作品の邦訳はいつなんだろう?

ワシとワシのヨメさん、全く読書傾向が違うのよ。だから滅多にお互いに本を薦めたりしないんですが、コレは是非読ませたい、と思って、熱心に奨めてしまいました。不思議不思議。

全然紹介になってない、のは分かってるんですが。説明、したくないなあ。勿体ない。先入観なしで、とにかく一読されることをお奨めします。

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