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2010年1月31日 (日)

【書評】一手千両―なにわ堂島米合戦 著者:岩井三四二

一手千両読了○。副題は「なにわ堂島米合戦」。天下の米の値段を決めると言われる大阪堂島の米市場。中堅どころの”八角屋”の次男、吉之介は、子店を預かる米仲買である。幼馴染で同業者の”山城屋”の籐吉が心中で死んだ。おかしい。あいつに限って?背後に買い方の仕手筋の本尊、十字屋の影。籐吉は消されたのか?

冒頭、金融先物市場の父、レオ・メラメド著「エスケープ・トゥ・ザ・フューチャーズ」より、一部ではすっかりおなじみの文章が引用してあります。曰 く「先物市場自体は大昔から存在しているが、組織化された取引所において集中した形で先物取引が行われたのは、1730年、大阪で堂島米会所が開設された のが、世界で最初のことである。」

今の東工取とか東証とかのていたらく見てると信じられないけどねえ。

ってわけで、大阪の米相場を舞台にした、一種のミステリであり、且つ、経済小説ってゆーか仕手小説。相変わらずちょっと変わった視点の時代小説を書く人だ。面白い面白い。

ミステリとしては、まあ並の出来かな。経済小説としても、ほどほど程度の出来か。じゃ何がいいかってーと、堂島の取引の模様が事細かに描写してあるのがいいんだな。今までにも堂島の米市場を舞台にした小説は読んだことあるけど(百助嘘八百物語とかね)、ここまで詳しく書いてるのは初めてだ。立会いの模様、運営の方法、清算の仕組み、などなど、とても興味深く読んだ。

並とかほどほどとか、失礼な書き方をしてしまいましたが、ちゃんと仕手の恐怖感やら高揚感やらは伝わってきて、ドキドキしながら読めます。主人公の妙に一本筋の通った感じもこの作者らしくていい。そして単純な終わり方ではない、経済小説らしい含みのある・・・。相場をやったことのある人は、騙されたと思って、御一読を。

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