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2009年12月26日 (土)

【書評】13 著者:古川日出男

13(JUSAN)読了○。”一九六八年に東京の北多摩に生まれた橋本響一は、二十六歳のときに神を映像に収めることに成功した。”という印象的な一文から物語がスタートする。

主人公の橋本響一は片目だけ色弱という特異体質であるがゆえに、色覚と知能が異常に発達した。が、自らの天才を内に封じ平凡な中学生活を送っている。アフリカで類人猿を研究している叔父の関口が、森の狩猟採集民であるジョ族から預かった少年ウライネ。白人の霊力を身に着けるために、部族を代表して派遣されたのだ。ウライネは響一と一緒に日本の公立学校に通い、一ヵ月半の滞在を終え、故郷であるアフリカはザイールのムンドゥの森へと帰っていった。中学三年の進路指導で響一は高校には進学しないと宣言した。卒業後、ウライネのいるザイールへ行くのだと。

二部構成になってて、第一部が「13」、第二部が「すべての網膜の終わり」、というタイトルです。最初、第一部を村上春樹っぽいなー、って思いながら読んでました。んで、第二部に入ると今度は村上龍っぽいっですね。

面白いです。色彩、言語、アフリカ、キリスト教、サル学、農耕民と狩猟採集民、内戦、いろんな要素がぎっちりと詰め込まれていて、話がどうなっていくんだか、予想がつかない。構成上の工夫、書かずに済ますテクニック、等々も含めて読ませるなー、って感じ。テーマの扱いがそもそも物凄くひねってあると思う。ネタバレになるといかんのでここでは書きませんが。

出版は1998年ですから、もう10年ちょっとまえの作品なんですね。そうかあ。ワシが探索的な読書をサボっていた失われた*十年(この件については今度書きたいと思います、はい)の間にこういう人がデビューしてたんだなー。遅まきながらフォローして読んでいこうと思う。

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