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2009年12月 9日 (水)

【書評】分類思考の世界 なぜヒトは万物を「種」に分けるのか 著者:三中信宏

分類思考の世界読了◎。副題は「なぜヒトは万物を「種」に分けるのか」。著者は地球上の生物をその系統樹に従って体系化する学問である”生物系統学”の専門家。本書ではタテ思考である”系統樹思考”と対を成す、”分類思考”というヨコ思考をとりあげ、「分類」とは何か、「種」とは何か、について、自然科学史を辿りつつ様々なトピックスにスポットライトを当てる。

内容的には、結構専門的な概念や用語が飛び交い、ハードな議論を含んでいるのですが、余裕とゆーかユーモアとゆーかおふざけとゆーか遊び心とゆーか、が全体を覆っていて、独特のノリで読ませます。それは目次を見てもわかりますね。

プロローグ 生まれしものは滅びゆく
第1章 「種」に交わればキリがない
第2章 「種」よ、人の望みの喜びよ
第3章 老弧幽霊非怪物、清風明月是真怪
第4章 真なるものはつねに秘匿されている
第5章 いたるところリヴァイアサンあり
第6章 プリンキピア・タクソノミカ
インテルメッツォ 実在是表象、表象是実在
第7章 一度目は喜劇、二度目は茶番
第8章 つながるつながるつながるなかで
第9章 ナボコフの”ブルース”
第10章 目覚めよ、すべての花よ
第11章 時空ワームの断片として
第12章 「種」よ、安らかに眠りたまえ
エピローグ 滅びしものはよみがえる

ね?いい感じでしょ?目次見ただけで、んん?なんだか面白そーだなー、読んでみようかなーって気になりますね。実際、面白いです。「分類」を巡る古今東西のいろんなエピソードがいろんな角度から語られる。んでもって科学史を勉強しよう、って気になる。今まで当たり前のことと思っていたいろんなことについて、疑おうって気になる。

心理的本質主義がプラトン以来の伝統であるという指摘は目からウロコだった。んで、それを踏まえて認知心理学の観点から語られているのが、シンクロニシティな感じで面白かったよ。個人的にね。ヒトの心はそもそもカテゴライズする傾向を持つ、認知のしくみがそうなってる、ってのはピンカーにもしばしば登場するし、アンドロイドの脳 人工知能ロボット"ルーシー"を誕生させるまでの簡単な20のステップにも出てきたし。いつもと逆のルートを辿って、おなじみのトコに着いたんでびっくりっていいますか。

当然、この人の前著、「系統樹思考の世界」も、読んで見ずばなるまいな。楽しみー。

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