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2009年12月23日 (水)

【書評】ハリガネムシ 著者:吉村萬壱

ハリガネムシ読了○。高校の倫理社会の教師”慎一”、25歳。アパートに住み、銭湯に通い、喫茶店で日記を書く、・・・「みなさん、大変でんな」。半年前に知り合った風俗嬢”サチコ”からの電話がきっかけとなり・・・。

読んでる最中はうわー気持ちわるっ、って思って眉間に皺寄せてました。暴力と倦怠、破壊と自棄がいっぱい詰まった小説です。好き嫌いで言うとあんまり好きではない。読みながら、なんでこれ読むかなあ、って自分で不思議だったんですが。理由その1、薄いんですぐ読めて、書評書きやすいかな、と。うーむ。我ながらセコッ。本末が転倒していますな。理由その2、クチュクチュバーンが良くも悪くも物凄かったので、同じ著者ってことで。理由その3、なんとなく。まあこういうのは縁ですから。

で、どうなんでしょう。好き嫌いで言うとあんまり好きではない、んですけど、また、面白いかどうかでいうと、そんなに面白くはない、んですけど、でも、この”感じ”はなんとなくわかる。これが書かれなければならなかった”感じ”。ああ気持ちわるっ。

なかったことにしたいけど、なかったことにはならない。それを意識する。そういうものですね。そこで、それはまあ、諦めて、この”感じ”をしばらく観察することにする。ってトコから”暴力”とか”破壊”について、つらつら考えが及ぶ。

小説としてはぜんぜん違いますけど、ペルディード・ストリート・ステーションの情け容赦のない感じ、運命の、人間に対する、あの感じは、実は”暴力”とか”破壊”に近いんじゃないか。面白いと思うのは、その有無を言わせぬトコが、世界としてある場合と、登場人物の中にある場合で、意味がまったく異なるんだ、ってこと。そしてあの小説はそれを意識して書いてたんだな。なるほど。ヤガレクの罪と罰が通奏低音として流れているのがその証拠。って、これじゃペルディード・ストリート・ステーションの書評になってまんな。

いや実を言うとですね、ワタシ的に今年度ベスト1であるにもかかわらず、ペルディード・ストリート・ステーションの記事は、すげえオミソにされてるんです。生ログで見ると殆ど読まれてないのがわかる。なんで?なんかくやしい。ってことで、ちょっと抵抗して宣伝。

話は戻って、ハリガネムシ。読んでる最中、読んだあと、どちらも気分はよろしくありません。でも読まないのもちょっともったいない。覚悟して読みましょう。

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