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2009年11月30日 (月)

【書評】経済の本質-自然から学ぶ 著者:ジェイン・ジェイコブズ

経済の本質-自然から学ぶ読了○。原題は”The Nature Of Economies”。元編集者のアームブラスター、その妻で元生物学者のケイト、アームブラスターの姪で環境問題専門の弁護士ホーテンス、その新しい彼氏でエコロジストのハイラム、4人の対話の形を取って、”経済の本質”についてを考察する。主にハイラムがエコロジー的観点から見た経済についての新説を披露し、アームブラスターが批判する、ホーテンスとケイトが援護する、って流れで対話が進んでいく。

小説仕立ての4人の会話でなく、もっと普通の文章で書いてもらったほうが分かり易かったんじゃないかなー。何より「何を論じているのか」「何のために論じているのか」がはっきりと見えてこないもどかしさを感じます。訳文がこなれてないのもあって、決して読みやすい本とはいえない。と、本のせいにしてますが、もしかしたら読んでるワシの素養の問題って可能性もある。経済学に関しては基礎的な素養が足りないからなあ。

ま、それを承知で敢えて乱暴に要約すると、「経済も自然現象の一つだ」、ってのがこの本の主張。ってことは、これまでは経済は何だと思われていたのか?人間の創った制度、かな。経済物理学にしろ、行動経済学にしろ、従来の経済学への反省っていろんな形で出てきていますよね。それは新しい観察方法であったり、新しい要素の付加であったり、従来の仮定の修正であったり、しますが、経済を、”単純化したモデル”で表現することが出来ると仮定するという基本は共通する。ここは揺らいでない。ところがこの本は、経済も自然現象と同じようにフラクタルで複雑なもので、単純化したモデルで表現することは難しい(バタフライ効果を生むからね)、という立場を取る。

面白くはあるのですが、ある意味、これ、役に立てる、という立場の放棄に見えますね?そうなると、じゃ何のために経済学はあるのか、って話になる。予測が出来ないのでは。操作が出来ないのでは。それは、その振る舞い・性質を観察し、その複雑さを壊さないように注意する。湿原を保護するように。熱帯雨林を破壊から守るように。ってことになる。それはそれであり・・・か?

どーなんでしょうか。個人的には面白いっちゃー面白いんですけど。いいのかおい、とも思うな。いやべつにアダムスミスに義理はないんだけどね。これ、もちっと勉強しないと真贋判定できませんな。

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抜書き。(途中)

第1章 なんと、またエコロジストだって・・・The Economies Of NatureでなくThe Nature Of Economiesがテーマ、経済ってのも自然の法則に従う。
第2章 発展の本質・・・発展の定義、”一般”、”から”、”発生する”、”分化”、という4つの普遍的法則。
第3章 拡大の本質・・・エネルギーの導管。多様性が効率を上げる。
第4章 活力自己再補給の本質・・・
第5章 崩壊を避ける・・・
第6章 適者適存の二重の本質・・・競争に勝つ、生息地を維持する。
第7章 予測不可能性・・・
第8章 アームブラスターの約束・・・
エピローグ・・・

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