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2009年11月27日 (金)

【書評】ビット・トレーダー 著者:樹林伸

ビット・トレーダー読了○。主人公の矢部恭一は外車ディーラーに勤めるサラリーマン。事故で息子を喪い、家庭は荒れている。外回りと称して隠れ家のマンションでデイトレードに精を出す。やばい筋の友人に連れられ訪れた地下オークションで、ナカムラと名乗る男に声を掛けられる。彼の経営するある新進の上場企業は、実は近々倒産するのだといい、恭一にある取引を持ちかける・・・。

偏見ですが、経済ネタの小説はつまんないことが多い。具体的に名前は挙げませんが、小説としてはちょっと、ってのが堂々と本になったりしてることがある。じゃなんで読むんだ、って言われると、たまに面白いのがあるから、ではあるんですが。

で、これはどうだったか、というと。アタリでした。面白かったっす。ちゃんと伏線を張り、ちゃんと回収する。複数の事件が交錯しつつ、落ち着くところに落ち着く。きちんとカタルシスがある。一種のドンデンも用意してある。舞台となる株の信用取引についての説明も、わかりやすく、くどすぎず、テンポよくこなしていきます。

登場人物は紋切っちゃー紋切だけど、思ったよりも立体的です。ありがちなステレオタイプになりそうで意外とそうでもないってゆーか。基本的にこの作者は”いいひと”なんだよね。いや別に悪い意味でなく。世界観の根底にある善意ってゆーか。普通はもっとエゲツナイ話になるよ、これ。ちゃんとした(しすぎた)プロットの件とも併せて、それを物足りないと思うか、安心して読める、て思うか。意見が割れるトコかも。普段のワシは物足りないって思ったかもしれないな。主人公の愛人、理香子のキャラが良かったんだな。最初はただの飾りかと思ったけど、生臭くなく、適度に人間臭く、根が善人で、一種の救いにはなってますね。・・・ホメ過ぎか?

ってわけで、冒頭暗い立ち上がりで、読むのやめようかって思ったんですけど、読後感は悪くありません。

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