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2009年11月22日 (日)

【書評】風の中のマリア 著者:百田尚樹

風の中のマリア読了○。主人公の”マリア”は、オオスズメバチのワーカーである。女王バチであるアストリッドの巣に属している。300頭近くのワーカーを擁する巨大な帝国だ。季節は秋のはじめ頃。マリアは獲物を狩り、巣で待つ幼虫の妹達にせっせと運ぶ。最強の戦士、疾風のマリア。しかし秋の深まりと共に帝国に変化が訪れる・・・。

和名オオスズメバチ、学名Vespa mandariniaヴェスパ・マンダリニア、世界最大のハチ。性格は獰猛で攻撃力も攻撃性もきわめて高い。その毒針は大型の哺乳類すら死に至らしめることがある。日本では熊害よりも蛇の咬害よりもスズメバチの刺害による死者のほうが圧倒的に多いそうで。そういう意味では日本で最も危険な野生動物だとか。

ってわけで、これ、一応カテゴリー110小説ってことになってますけど、所謂”小説”ではないよね。じゃあ何?って言われると説明しづらいけど。擬人化された登場人物(人物じゃないが)がいろいろ考えたり行動したりしますが、この本が目指しているのは科学的に正確な情報の伝達或いは事実の描写なんですよね。オオスズメバチの興味深い生態を、わかりやすく伝えるための手段として、小説という体裁を取った、ってことで。その意味では科学読本みたいな性格が強い。

小学生だか中学生だかの間で人気だと聞きました。図書館でも数十人待ちだったし。確かに面白いです。オオスズメバチの性決定システムのはなしも、姉から見た妹のゲノム共有率のはなしも、ニホンミツバチとセイヨウミツバチとオオスズメバチの三角関係のはなしも。それから、峰球のはなしも、女王バチ殺しのはなしも、集団攻撃のはなしも。とにかく”良く出来ている”。理にかなっている。こういうの、好きですよ。オレ、性格的にね。

自然ってすごいなあ、っていう感動、そういうのが好きな方、一読をお奨めします。

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