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2009年10月20日 (火)

【書評】家なき鳥 著者:グロリア・ウィーラン

家なき鳥読了◎。舞台は現代インド。コニーはインドの郊外に住む13歳の女の子。バープ(お父さん)とマー(お母さん)と二人の兄弟と一緒に質素に、しかし楽しく暮らしている。今度お嫁に行くことになった。バープが持参金を貯めて、お婿さんを見つけてきたのだ。心は家を去る不安と、まだ会ったことのない夫に対する期待に揺れる。バスに乗り、バープとマーと一緒に、嫁ぎ先のメイターさんの家に着いたコニー。彼女がそこで見たものは・・・。

なにやら、ってーのは変ですが、面白い。インドの一般大衆の、社会的な慣習、常識、迷信、等々が、いろんな形で顕れ、ストーリーを妨害したり、促進したり、掻き乱したりします。インド。インド。インド。インドだなあ。

ネタバレになるのでこれ以上のストーリーは伏せておきます。思うんですが、社会的な常識が全く異なる国に関する小説って、下手なSFより面白いかも。あくまでオレにとって、ですが。私にとって、小説ってーものは、ストーリーの先が読めないってのが、かなり重要な評価ポイントなんですけど、作者が無理矢理考える奇抜な設定より、異国の社会習慣のほうが、「読めない」。うわー、そう来たか、みたいな。

ええっと、ちょっと不謹慎?この小説をそんな風に読むのは?

そんなことないです。もっとそんな風に読みましょう。小説を予定調和のこじんまりした作り物にしておくのは勿体無いってば。

それ以外にも、主人公の語り口、簡潔だけどビジュアルな描写。読みやすい、それでいて密度の濃い文章。見かけによらずしっかりとした、一本芯の通った本です。久しぶりに小説世界の中に浸る感じを堪能しました。どきどきしたり、ホッとしたりね。地味だけどええ本です。一読をお奨めします。

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