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2009年10月10日 (土)

【書評】思考する言語(中) 著者:スティーブン・ピンカー

思考する言語(中)読了◎。上巻、中巻、下巻の中巻。上巻のメイントピックが動詞、サブトピックが構文だったとすると、中巻のメイントピックはメタファー。サブトピックが名前って感じですか。もちろん、動詞、構文、メタファー、名前、夫々は生得的な認知の枠組みの影響下にある、という考察が通奏低音です。

オレと、興味の持ち方がね、上巻はぴったり重なる。中巻は、そうでもない。最初はね、だから、ん?あんまり面白くない?のりが違うなあ・・・って感じで読み始めたのですが。逆に啓蒙度ともいうべきものは中巻の方が高かったかも。思いもよらないトコロを問題にしている、それは何故?どんな意味があるんだ?どんな関係があるんだ?って感じで引き込まれていく感がありました。それもこれも上巻ですっかりこの人のファンになって信頼を置いて読んでられたからですけどね。普通だったら、こんなトコ拘ってアホちゃうか、で読み飛ばしていたような気が。ちょっと反省。人間謙虚に生きないとね。

第四章 世界認識の四つの方法-物質・空間・時間・因果

第五章 メタファーがいっぱい!-人の思考の仕組みを解く

第六章 名前をめぐる謎-命名に関わる人間本性

つくづく、この人の立っているスタンスは面白いなあ。哲学と内観と実験心理。ついでに社会学。夫々限られた分野の限られた手法で、だから過去の研究者はとてももどかしい思いをしてきたのですが、これらを言葉という現象に注目することでひとつに統合してしまうといいますか。そのうち大脳生理学とかのハードウェア面も全部取り込んで行くんだろうな。言葉という現象、stuff of thought、切り口これ一本で!すげえすげえ。この手があったか!って思うのはオレだけ?

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抜書きメモ。
物質・空間・時間・因果。名詞で表される物質、前置詞で表される空間、動詞で表される因果性、動詞と時制の標識で表される時間。

物質はどう認識されるか。可算名詞と不可算名詞。ズームイン・ズームアウト。時間の認識との類似性。

因果関係は力のダイナミクスモデルで説明出来る。アゴニストとアンタゴニスト。

メタファーに関する「興ざめ説」と「救世主説」。概念メタファー。

概念メタファーいろいろ。byジョージ・レイコフ。”議論は戦争である”、”恋愛は旅である”、”大きいことは重要である”、”視野は容器である”、”道徳は清潔さである”、”自己は人間の集団である”、”コントロールすることは上である”、”目的は目的地である”、”時間は動くものである”、”知ることは見ることである”、”心は容器である”、”社会は家族である”、等々。

「ゾウについて考えるな」の例。フレーミングの問題。

レイコフらの主張。「心は本質的に身体化されている。思考は殆ど無意識のうちに行われる。抽象概念の大部分はメタファーにもとづいている。」

反論。「抽象概念が類似性の範囲を規定する。その結果として概念メタファーを取得し使うことが出来るようになる。メタファーだけでは考えることは出来ない。」

物理的推論の抽象的領域への転用。アナロジー。

記憶の甦り現象。抽象的な構造が引き金になる例の意味するところ。

単語の意味はどこにあるのか。現実世界か。頭の中か。
ポール・マッカートニーをめぐる思考実験。名前は固定指示子である。

アプリオリな知識。アポステリオリな知識。アポステリオリでありながら必然的な知識。「意味」とは何か。

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