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2009年9月23日 (水)

【書評】サハラ横断砂の巡礼 著者:前島幹雄

サハラ横断砂の巡礼読了◎。副題は「ラクダと歩いた四八七日」。アフリカ西岸のモーリタニアの首都ヌアクショットから紅海に面するポートスーダンまで、駱駝を連れ、徒歩で踏破したサハラ砂漠横断8000km、487日間の記録。更にこのあと著者はジェッダに渡りメッカに到達、カーバ神殿への礼拝を果たす。

仮名遣いは間違っているし(近ずく、とか、歩るく、とか)、乱丁はあるし(232~233頁)、文章は省略が多く視点が安定せず、時に何を言いたいのか意味不明になる。プロの文章ではない。最初、読みながら、これはちょっと頭のおかしいひとが書いた自費出版本なのかも、と思っておりました。だってサハラ砂漠を一人で踏破しようなんて思わないって、普通は。何のために、ってのもいまいちはっきりしないし。

しかし。にも拘らず、内容のあまりの迫力(凄まじさ、とんでもなさ)に頭をぶん殴られるようなショックを受ける。ちょちょちょっとまってよ、あんた、ふつうこれ死んでるって。マジで。いやマジで。ってのが何箇所も何箇所も。こころの中で悲鳴をあげながら読み進む感じ。しまいには読み進めるのがつらくなり何度も中断するが、最後まで読まずにいることがいけないことのように思え、数日後にまた手に取ってしまう。そういうことを何度か繰り返し、やっと最後までたどり着きました。脱帽です。

思うに、ワタシは全編に漂う、内省的な感じに共感を覚えて、それが読書を牽引してくれたような気がするんですが。どうなんでしょうか、これは、一般には受け入れられるもの?それとも、アホらし、と一蹴されるようなもの?個人的には時代の影を強く感じるんですけどね。って言っても読まなきゃわかんないか。

凄まじい体験の描写の一部を抜書きしようか、とも思ったのですが、止めておきます。ダイジェスト版でわかろうとしちゃだめですよ、この本は。苦労して読みましょう。

読後、著者の前島幹雄さんについてネットで調べました。昔、俳優座に所属していた役者さんとのこと。現在はシアターZという演劇チームに所属されているようで。1937年生まれってーと、もうかなりの御高齢ですね。私としては極めて珍しいことに、一度お会いしてみたい、と思いました。こんだけの凄まじい体験をして、尚且つ、その後の日常を生きるということはどういうものなのか。人が生きる意味は見つかったのか。今でもムスリムなのか。訊いてみたいなあ。「老人と海」の二人芝居をやられているようなので、機会があったら一度観に行くつもりです。最近演劇づいてるし。

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