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2009年9月11日 (金)

【書評】楽園 著者:宮部みゆき

楽園読了◎。「模倣犯」の事件から9年が経過。ライターの前畑滋子はあの事件に関する本を書くことなく、編集プロダクションの仕事をしている。そこへ小学生の息子を交通事故で失った萩谷敏子という人物が訪ねてくる。息子には一種の超能力があったのではないかと思う、それを調べてくれないか、と。息子が描いた絵が最近ニュースになった事件を予知していたらしいという。両親が実の娘を殺し自宅の床下に埋めていた。15年の長きに渡り。しぶしぶ形だけの調査を引き受けた滋子は、調査を進めるうちに意外なものにぶつかる。あの「模倣犯」事件の山荘の絵が描かれていたのだ。当事者以外は知りえない情報とともに。これはいったい何を意味するのか・・・?

「模倣犯」にも出てくる人物がたくさん登場しますが、小説として見れば、必ずしも「模倣犯」の続編とゆーわけではない。でも、もしまだの人がいたら、せっかくだったら「模倣犯」を読んでから、この本を読みましょう。

この人の現代モノは久しぶりだ。ここんトコ江戸モノばっか読んでたからなー。いいねえ。達者だねえ。巧みな伏線、精緻な構成、意外な展開、それから、深い問いかけと魅力的な人物。堪能させていただきました。物語の発端となったおばさん、萩谷敏子さんがいい味出してます。てゆーか、この人物の魅力が作品中の救いになってますね。

テーマ自体はとても重いものだもの。幸せとは何か。人を犠牲にすることでしか手に入らない幸せがあるとしたら、それを求めることは許されることなのか。

タイトルが「楽園」ってトコから、もう伏線は張られているわけで、ううむ、やっぱこの人の地力は凄いなあ、と感嘆致しました。一読をお奨めします。

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