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2009年5月14日 (木)

【書評】踊る陰陽師 著者:岩井三四二

踊る陰陽師読了○。副題は「山科卿醒笑譚」。室町時代末期の京都を舞台にした連作の時代小説。表題作をはじめ、中篇5つを収める。

主人公は、転職を考えている陰陽師、妻の浮気に気を揉む青侍、一座の看板娘に手玉に取られる座元、口下手で自分には侍の適性がないと悩む侍、公家の雑色としてこきつかわれ不満を貯めている若者、等々。副題にある山科卿は京都の貧乏公家で、各編に狂言回しとしてちょっとづつ顔を出す。

歴史的事件なし、有名な英雄なし、大規模な合戦なし。ちょっとゆるいキャラがいい味を出していますねー。今と引き比べて「にやり」ってのがこの人独特の持ち味。

歴史認識がいい加減な作家がこれをやるとただのイヤミになるんですけど、この人の場合、政治の側からでなく社会の側から歴史を見るということを意識して真剣にやっている感じがします。室町末期の社会風俗(身分の認識の仕方とか、生計に対する意識とか)をきっちり踏まえて、登場人物の意識が描かれている。だから夫々の登場人物がとてもリアルに感じられるんだと思います。もっと人気が出てもいいと思うんだがなー。

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