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2009年4月 7日 (火)

【書評】イメージ脳 著者:乾敏郎 (岩波科学ライブラリー156)

イメージ脳読了○。ある意味味も素っ気もない、著者の脳科学の研究成果発表。お世辞にも読者へのサービス精神旺盛とは言い難いが、論文てそういうもんだから。著者のテーマは、脳内で、イメージの生成はどのように行われるのか。てゆーか、そもそもイメージとは何か。別の側面から言うと、頭頂葉の研究。

最近の脳科学の本は記述が具体的で面白いよな。観察される実際の現象が、脳の特定部位のニューロンの活動として記述される、という意味での具体的、だけどね。

だから何?という人もいる。ある活動がある脳のニューロンの神経発火の結果であることがわかったとして、それが何か?と。でもな、オレにはそれがすげえ面白いんだよなー。ただそのことがね。それを面白がれるかどうかが、脳科学を楽しめるかどうかの境目なんでしょうな。もちろんその先には応用としての医療だとかロボットだとか人工知能だとかいろんな実学があるので、そういう人たちも脳科学を否定はしないんだけどね。

脳から運動指令(特定の神経発火)が出る。筋肉が収縮する。その収縮の様子が筋紡錘というセンサによってフィードバックされる。一方で、脳から運動指令が出された際、その特定の神経発火のコピーが、脳の別の部分に送られる。そこには過去の筋紡錘からのセンサの情報をもとにした身体の内部モデルがあり、実際の収縮によるフィードバックよりも先に、類似のフィードバックが得られる。これを使うことで脳は予測的に情報処理をしている。運動指令は前頭葉から運動野へ。同時にそのコピーが頭頂葉へ。

コピーを別に送り、そのフィードバックを使う、というのがいい。シンプルな仕組みで応用範囲が広い。実際には体を動かさず、コピーだけを内部モデルに送っている状態、これがイメージの正体ではないか、と著者は推定している。他にもなんとなくいろんなことがこの仕組みで説明できそうな気がするが、まだ思いつきの段階なんで今はパス。上述の要約も今思い出しで思いつきで書いたので違ってたらごめん。

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