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2009年4月30日 (木)

【書評】外国語学習の科学 著者:白井恭弘

外国語学習の科学○。サブタイトルは「第二言語習得論とは何か」。SLA=Second Language Acquisitionという研究分野の、最新の研究結果をコンパクトにまとめてある。外国語学習者、その教師、夫々に有益と思われる興味深い情報の数々。教科書を目指して書いたというだけあって、基礎から最新の研究結果まで幅広くバランスよく取り上げられています。

取り敢えず学習者として、エビデンスのしっかりした、効果的な外国語学習法の手引きとして読みました。「インプット重視とアウトプットの必要性」、「アウトプット出来るレベルの文法」、「意味的に理解されることと文法的に処理されること」、等々については、日ごろ英語を学習しながら漠然と考えていたことが、概念としてすっきり整理された感じがある。

「データベースとしてのダイアローグの暗記」、「コミュニケーションストラテジー」、については多分必要なんだろうなあ便利なんだろうなあ、と思ってたことに関して、そのとーりじゃ!と言われたわけなので、早速取り入れたいと思う。逆に単語暗記の各種ストラテジーは取り敢えずiKnow!使うからいいや、ってトコかな。

この分野、今後、もっと脳科学寄りとゆーか心理学寄りとゆーか、の研究が面白く、且つ可能性があると思う。「言語とイメージ生成と理解」とかさ。今自分で色々試行錯誤しているのでうまく行ったらそのうち書いてみようと思います。

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2009年4月29日 (水)

【書評】建築バカボンド 著者:岡村泰之

建築バカボンド読了○。個人住宅中心の建築家岡村泰之が語る、建築家という仕事、そして、家を建てるとはどういうことなのか。

いいなあ。オレ、建ててもらうとしたらこの人に頼もう。昔、石山修武読んだときには面白いとは思ったが、頼もうとは思わなかった。ちょっと理念が先走ってる感じがイタかった。岡村泰之さんは大丈夫。イタくない。生活優先。世代的に熟してきたんだなあ、日本の建築も、或いは建築家も、って感じですねえ。

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2009年4月28日 (火)

【書評】恋と股間 著者:杉作J太郎

恋と股間読了○。漫画家にして映画監督、変人杉作J太郎による、今時のもてない男のための恋愛論&恋愛マニュアル。といっても、こうすればもてるようになるとはどこにも書いてない。寧ろそんな万能のマニュアルはない、と。帯のアオリ文句は「ダメ出しされたからってもうヘコむの?」。

実は、きょうびの、男に厳しい恋愛状況を踏まえ、ウチの息子達にどうかと思って買って読んで見たんですよ。この現実が避けられないものであるなら、そこにどう適応していくか。真面目に考えとかないと。

彼女獲得の涙ぐましい努力をすることを自分の成長の機会と捉える、という視点は、ちょっと古臭いけど、逆に新鮮でした。女は男とは別の生き物だ、とかも。純情、直球。人柄の滲み出る、ある意味、好著ではあります。46歳の私は、面白く興味深く読めましたが。

でも、これウチの息子に通用するのか?うーん。そうありたい、のはわかるが、なあ。読んだだけじゃわからんだろな。それこそ色々経験しないとなー。

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2009年4月27日 (月)

【書評】日本人よ! 著者:イビチャ・オシム

日本人よ!読了○。元サッカー日本代表監督であるオシムが書いた、日本のサッカーの現状と問題点、或いは、サッカーを通じて見た日本社会について。発行は2007年6月。監督就任の一年後、脳梗塞で倒れる半年前。

ウチのヨメさんは大昔からのサッカーファンです。どれくらい昔かというとヨハン・クライフの現役時代からのファン。一方私はスポーツ観戦全般に興味がない。だから、おめーにこの本の本当の面白さがわかるのか、と言われると正直自信はありません。具体的な選手名を挙げて説明してある部分を読んでも今ひとつ臨場感に欠けるからなー。

でも、「サッカーを媒介にした日本人論」或いは「プロから見た日本社会論」として読む分には、必ずしもサッカーを良く知っていなくとも理解できる内容になっています。

本の最初の方に書いてありますが、リスペクトって、re-spect、つまり再び見る=客観的に見る、ってことなんですね。日本語で普通に訳されている「尊敬する」って言葉とはかなりニュアンスが違う。そして客観的に見ることなしに真の尊敬はありえない。

この例を始めとして、明晰で逆説に満ちた様々な説明がとても興味深い。この人に最後まで代表監督を務めて欲しかった、と思うのは私だけ?

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2009年4月26日 (日)

【書評】無趣味のすすめ 著者:村上龍

無趣味のすすめ読了○。帯のアオリ文句は「大転換期を生きる人の必携・箴言集」。村上龍が幻冬社の男性ビジネス誌「ゲーテ」に連載していたエッセイ。雑誌の性格上、テーマはビジネスに関わるもの。例えば「もてなしと接待」、「後悔のない転職」、「仕事における有用な人脈」、などなど。編集部が雑誌の特集に合わせて「お題」を出し、村上龍がそれをテーマに毎回書いているのだと思います。

んで、その第一回のテーマが「無趣味のすすめ」。要約すると真の達成感や充実感は趣味の中にはない、仕事の中にしかない、と。これね、敢えて刺激的なこの回を本のタイトルに選んだんでしょうけど、そこんとこはどうかなー?因みに雑誌「ゲーテ」のメインテーマは「仕事が楽しければ人生も愉しい」。どーよ?この回は雑誌創刊号に載せる、一種の提灯記事、広告みたいなもの。この回はこの本を正しく代表していないように感じましたが?

うん。このタイトルがいけないんだな。「すすめ」たりしちゃ、台無しですぜ。多分本人は良くわかっていると思うけど。村上龍もコマーシャリズムには勝てないんだなあ。とゆーわけで△に近いんだが他の回はまだまともなのと、ファンなんで遠慮して○。

って話をウチのヨメさんにしたら、「違うでしょ、コマーシャリズムじゃなくて見城への義理でしょ。」とつっこまれました。なるほど。そういえばそうだな。(このリンクがwikiに飛ばない。文字化けしてしまう。お手数ですがご存じない方はwiki若しくはgoogleで"見城"で検索してください。)

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2009年4月25日 (土)

【レシピ】森のパイ、又は、ウォールナット・レーズン・パイ

超簡単なんだけどとてもそうは見えない、そんなお菓子のレシピが欲しい、そんなあなたに。これで彼のハートもいちころ。って一体なにを煽ってんだか(笑)。

ええっと、ホントに簡単なレシピです。このブログは一応、書評中心のブログなんですが、ついでで乗せてる手抜き系レシピ(ヨメさんからの聞き書きです)のページが意外と好評なんですね。ううん。ちょっと悲しいかも。

でもま、それはそれとして、そういうニーズがあるなら、ってことで、今週は忙しくってあんまり本読めてないことだし、ネタとしてつかっちまおう、と。

今回のコレは、冷蔵庫の残り物を始末するために生まれた、ホントに簡単なレシピです。でも、おいしいよ。いやまじで。

<材料>

冷凍パイシート 1枚、

A{レーズンひとつかみ、キットカットミニ3個(ザク切り)、胡桃ひとつかみ(細かく砕く)}、

メープルシロップ大匙1、生クリーム大匙1

<作り方>

① Aをボウルに入れて、メープルシロップと生クリームで和える。パイシートの真ん中に置く。四隅を中心に向かって折り、覆う。オーブンで200度で25分焼く。

あ。もう終わってしまった。果たしてこれをレシピと呼んでいいものかどうか。ね、ホントに簡単でしょ?ポイントはキットカットかな。知らずに食べるとね、入っているとはまず気づかない。ドラッグストアとかで売ってる袋入りの小さなヤツ3つね。

なんかいい名前ないすかね?何たらかんたら風、みたいな。おもいっきり長ったらしい勿体をつけた名前にした方が中身とギャップがあって面白いと思うんですけど。それをバラすかどうかは、ま、相手との関係次第ということで。お菓子作りの名人を装うのもよし。実は・・・と告白してウケを狙うもよし。これで彼のハートはあなたのもの。って同じネタだ(笑)。

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2009年4月24日 (金)

【書評】どんな時代もサバイバルする会社の「社長力」養成講座 著者:小宮一慶

どんな時代もサバイバルする会社の「社長力」養成講座読了○。人気の経営コンサルタント小宮一慶による、経営の原理原則集。

特に目新しいことが書いてあるわけではありません。ホントに基礎の基礎の基礎の経営の本。一番最初に「お客様第一」が来るくらいだもの。てゆーか一種の経営エッセイかも。んでも最後まで読んでしまうのは著者の人徳かね。少なくともこの人は「迎合」はしないし「あやしく」もないものね。

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2009年4月20日 (月)

【書評】オデット 著者:ロナルド・ファーバンク

オデット読了○。原題は「Odette: A Fairy Tale for Weary People(オデット、疲れた大人のための童話)」。主人公の少女オデットは叔母と一緒に大きな屋敷に住んでいる。彼女はマリア様に会うために真夜中の庭園で薔薇を摘むことを思いつく。そこで彼女が見たものは・・・。

山本容子さんが挿絵をつけている、これは一種の絵本です。心が洗われます。なんでこれ読んだん?って聞かないでね。なんでもあり、手当たり次第、がこのブログの持ち味なので。あまり気にしないように。

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【書評】ヤクザ的な人々に学ぶ負け知らずのススメ 著者:小野登志郎

ヤクザ的な人々に学ぶ負け知らずのススメ読了○。ノンフィクションライターである著者が、取材を通して知り合ったヤクザ的な人々のエピソードを紹介する。

なんて言うんでしょうね、出版社も太田出版だしね、まあこう言っては失礼ですが一種キワモノ的な本だなあとは思うんですよ。でも著者の姿勢が存外、狎れず・迎合せず、で、この手の本にありがちな面白おかしくヤクザを賛美するみたいな「いやらしさ」がない。過度に説教臭くもない。まあ喰い足りない感じはあるんですけどね。

こういう「しぶとさ」に自分が憧れているんだなあ、という気づきも含めて○。

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2009年4月19日 (日)

【書評】纏足物語 著者:岡本隆三

纏足物語読了△。中国が生んだ奇習である纏足について、その方法・起源・効用とその社会的背景について調べ、まとめてある。

纏足については、お話の中に出てくるものとしてしか知らなかったので、この本で写真と図を見てやっと合点がいった。こ、こわー。これが美人の条件とされていたとはねえ。なんとも。観念で作られた社会的な圧力というものがどこまでトンデモないものになりうるかといういい見本だね。

本自体についてコメントしとくと、前半は効用の調査が甘い。後半の社会的背景の考察は断片的で散漫な印象。文章に同じ描写・形容が出てきたり、全体的にちょっと品がない。もう少し学術的にしっかりしたものを期待していたので、申し訳ないが△。

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2009年4月18日 (土)

Googleの順位ってヤツは

4月に入ってから更新のペースが落ちている。なんでか、ってーと、あまり本を読んでないから。いつからこのブログは書評専門のブログになったんだ?そうじゃないだろう?原点に返れ原点に。という心の声がしたもので、反省の意味も込めて、今、書いております。っていったって元々思いつきで始めたブログだからなあ。

ホンの思いつきで始めたブログにしては良く続いているし、いろんなモノを私の生活にもたらしてくれていると思います。生活にハリが出るってこういうことなのかあ、って感じ。書評を書くために本を一生懸命読むっていうか。ある意味本末転倒か?ちょっとそれもどうかという気がしないでもないが。

というわけで、今日は書評ネタじゃない。Googleの順位について。

ここんとこ一日のアクセス数がジリジリ上昇しています。特徴は、グーグルの検索で引っ掛かって飛んでくる人が増えた、ってこと。生ログで調べると、「書名」で検索とか、「書名」+”書評”で検索とかで結構上位に来ているんだね。もちろん本の種類にもよるけど、20位前後に来てるのが多い。

ブログタイトル自身で検索しても5位前後でここんとこ安定してる。一時期物凄いアップダウンを繰り返していた(5位→50位→10位→40位とか)のは何だったんだろう?わかんないけど、多分Google側で、関係するアルゴリズムをいじった初期にブレが大きく出るんじゃないか、という気がするな。

んで、ブログタイトルで上位ってことは、個々の記事名でも上位ってことで。そうなるとさっき書いたみたいに、毎日更新しなくてもそこそこ見に来てくれる人がいることになるわけですな。所謂過去の遺産で喰っているってヤツです。ブログの溜まっていく感じが好きだ。

改めてGoogleの影響力の大きさを実感した次第です。そら真面目な企業がSEOに血道をあげるのも頷けるわなあ。

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2009年4月15日 (水)

【書評】パンク侍 斬られて候 著者:町田康

パンク侍、斬られて候読了○。町田康の時代小説。って説明になってる?時代小説の舞台を借りた町田康の小説、ってほうが良くない?はいはい。

ありがちな性格の男たちの、妙に正確に写し取られた、考えかた、喋りかた、動きかた。とても現代的な。思わず笑ってしまいます。でも今回、二重丸ではないんだよなあ。なんでだろ?

この人の小説はまず言葉ありきですよね。その意味では筒井さんの衣鉢を継ぐ者と聞くとこの人を思い浮かべるなあ。

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2009年4月14日 (火)

【書評】東大で上野千鶴子にケンカを学ぶ 著者:遥洋子

東大で上野千鶴子にケンカを学ぶ読了○。TVタレントである著者が、上野千鶴子が東大で持っているゼミに入り、フェミニズム社会学を学ぶ。仕事をしながら3年間(!)。

スルーする条件は揃っていたんですが、面白そうな気がしたので読み始めて、大正解でした。スルーする条件、タレント本?帯でタレント本として煽ってますが、結果的にこれはタレント本ではありませんな。非常に真面目で真摯な体験記です。スルーする条件、上野千鶴子?この人に関しては私はずーっと判断保留状態なんだなー。ちゃんと読んでちゃんと位置づけよう、と改めて思いました。

この本、ウチの上の息子に読ませようと思う。今度受験なんでね。学問をする、ってこういうことなんだよ、っていうね。オレ大学ん時にこの訓練を逃げた悔いがあるなー。うん。今からでも遅くない。

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2009年4月12日 (日)

【書評】勝間和代のインディペンデントな生き方実践ガイド 著者:勝間和代

勝間和代のインディペンデントな生き方実践ガイド読了○。人気の勝間和代による、女性が自立した生き方をするための方法論について。題名どおり。

この人は常にストレートだから、わかりやすいよね。啓蒙的で具体的で実践的。精神論なし抽象論なし自慢話なし。参考になります。ウチの職場の男とか取引先の若いのとかにも読ませたいけどなあ。みんな本よまねーからなー。

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2009年4月11日 (土)

【書評】童貞放浪記 著者:小谷野敦

童貞放浪記読了○。表題作「童貞放浪記」のほか、「黒髪の匂う女」、「ミゼラブル・ハイスクール一九七八」、を収める。特に最初の二作は、露悪趣味・うじうじした主人公・時代風俗と三拍子揃った”正統派”私小説。

こ、ここまで書いちゃうんですか・・・。驚愕とゆーか当惑とゆーか。著者の関係者にとってはシャレになってない内容ですなあ。マジで。いやマジで。・・・でもホラ、これ私小説だから。これはこれでありということで。うん。うん。・・・という意識の変遷を、読み進みながら経験した気がします。

そう思ってしまえばこれはこれで面白い。我乍ら意外でしたが。そういう意味では私小説として成功していると言えるんじゃないでしょうかね。てゆーか、今時私小説を書く人、いないからなあ。ニッチ戦略?

著者が偶然にも同い年であることも関係しているかもしれないな。「ミゼラブル・ハイスクール一九七八」に出てくる諸々にはノスタルジックに共鳴してしまいました。高畑勲の「赤毛のアン」とか。いろいろ思い出してしまいました。時代、だったんですねえ。

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2009年4月 9日 (木)

【書評】よのなか 著者:藤原和博、宮台真司

よのなか読了○。話題の、杉並区和田中の校長を務めた藤原和博(出版当時は普通のビジネスマン)と、過激な社会学者宮台真司が作った世の中の教科書。学校では教えない世の中のしくみいろいろ。1998年発行。ってーと、約10年前ですか。ちょっと古くなってる部分もある。今でもそのままあてはまる部分もある。

世の中 つながりで読んだわけです。こっちは、シンプルに世の中の教科書として使えます。ウチの息子達にちょうどいいかもしれない。宮台真司の入門書としてもな。

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2009年4月 8日 (水)

【書評】ないもの、あります 著者:クラフト・エヴィング商會

ないもの、あります読了△。自分を上げる棚、口車、左うちわ、等々の良く聞くけど見たことはないという商品のカタログ。個人的には「先輩風」が欲しいかな。ここぞというときに、しゅっと吹かせるといいんだって。

雑誌で読む分には「くすっ」或いは「にやっ」でいいんでしょうけどねえ。まとめて一冊読んだらなんだか飽きてしまいました。説教臭くて飛び方がたりないよー。って、それはないものねだりですか?

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2009年4月 7日 (火)

【書評】イメージ脳 著者:乾敏郎 (岩波科学ライブラリー156)

イメージ脳読了○。ある意味味も素っ気もない、著者の脳科学の研究成果発表。お世辞にも読者へのサービス精神旺盛とは言い難いが、論文てそういうもんだから。著者のテーマは、脳内で、イメージの生成はどのように行われるのか。てゆーか、そもそもイメージとは何か。別の側面から言うと、頭頂葉の研究。

最近の脳科学の本は記述が具体的で面白いよな。観察される実際の現象が、脳の特定部位のニューロンの活動として記述される、という意味での具体的、だけどね。

だから何?という人もいる。ある活動がある脳のニューロンの神経発火の結果であることがわかったとして、それが何か?と。でもな、オレにはそれがすげえ面白いんだよなー。ただそのことがね。それを面白がれるかどうかが、脳科学を楽しめるかどうかの境目なんでしょうな。もちろんその先には応用としての医療だとかロボットだとか人工知能だとかいろんな実学があるので、そういう人たちも脳科学を否定はしないんだけどね。

脳から運動指令(特定の神経発火)が出る。筋肉が収縮する。その収縮の様子が筋紡錘というセンサによってフィードバックされる。一方で、脳から運動指令が出された際、その特定の神経発火のコピーが、脳の別の部分に送られる。そこには過去の筋紡錘からのセンサの情報をもとにした身体の内部モデルがあり、実際の収縮によるフィードバックよりも先に、類似のフィードバックが得られる。これを使うことで脳は予測的に情報処理をしている。運動指令は前頭葉から運動野へ。同時にそのコピーが頭頂葉へ。

コピーを別に送り、そのフィードバックを使う、というのがいい。シンプルな仕組みで応用範囲が広い。実際には体を動かさず、コピーだけを内部モデルに送っている状態、これがイメージの正体ではないか、と著者は推定している。他にもなんとなくいろんなことがこの仕組みで説明できそうな気がするが、まだ思いつきの段階なんで今はパス。上述の要約も今思い出しで思いつきで書いたので違ってたらごめん。

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2009年4月 2日 (木)

【書評】14歳からの社会学 著者:宮台真司

14歳からの社会学読了○。副題は「これからの社会を生きる君に」。過激な言動で物議を醸す社会学者宮台真司が、今の世の中を14歳にもわかるように解説した本。だと思って読んでいて、読み終わってから、ん?ちょっと違うな、今の世の中を「社会学の目で見て」14歳にもわかるように解説した本だな、そしてその、「社会学の目」を手に入れるための勉強の方法について、でもあるな、と思いました。

おなかをすかしている人に食べ物を与えるのではなく、食べ物を手に入れる方法を教える、或いは自分がどうやってそれを身につけたのか先輩として教えてくれる、みたいな。そりゃそうだ、社会と言うのはこれこれだ、と言えなくなってしまっている、ということを言っているんだから、そのことを言うだけで終わんじゃ、話になんないもんね。そういう部分はこの人は相変わらず真面目で真摯だなあと改めて思う。

んで、これは46歳の私にも面白かった。相変わらず過激だよなあ。例えば仕事について、仕事に期待するな、とはっきり言い切るあたり。とても同年代(たしか3-4歳向こうが上だ)とは思えない。まだ読んでませんが村上龍が「無趣味のすすめ」を出したでしょ?このスタンスは真逆ですよね。

私にとってはこの二人は両方とも水先案内人なんだが、こうもみごとに方向が逆だと困ってしまいますな。私自身は村上龍の考え方に近かったんだが、説得力は宮台真司の方が上だと思っています。実に興味深い。

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